dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

八日目の蝉

アベマ日曜ロードでやってたのを観た。

永作博美やっぱいいですわ。宮崎あおい蒼井優を足して二で割ってそこはかとない手弱女なエロスを含んだ感じ。ちょっと病んでる人間って感じがたまらなくたまらんのですよ。話そのものは別に目新しさとかはないんですけど、永作博美ファンのわたしはそれだけで十分ですし、目新しさはなくとも語れないってことじゃないですからね。あとアベマってコメントが見れるから色々と視聴者の反応が知れるからいいですよね。あまりに理解力のない人が希によくいるので驚いたりしますけど。自分の人のことは言えませんけど普通に見てればわかるでしょってことをコメントで訊ねる人がいますからね。

まあでも「永作博美に会わんのかい」って気持ちはわからんでもないですけど。

小池栄子はそこまで悪いわけじゃないですけど少し演技過剰かな。ただコミュ障ぎみなのは役柄的に正しい演技だとは思うし、ドラマだともっとハマっているので調整の問題かな。井上真央は所作とか表情とかいいですね。小池栄子と喋るときのちょっと演じてるみたいな感じとかもグッドです。あのなんていうか人前だとちょっと態度変わったり電話に出るときだけ声を高くしたりする人っているじゃないですか。なんか無意識のうちにやってる感じの、ああいう感じがでてて良い。ホテルで小池栄子と喋ってるときの感情的な喋り方とか、永作博美に似せてるんですよね、真央ちゃん。芸コマですな。

森口瑤子のどうしようもない怒りの表現とか申し分ないです。だけど一箇所だけ、包丁を持って井上真央と喋るところ、セリフを選んで読んでる感じがするのがなんだかなーって思いました。あそこはもうちょっと心の底から出てきた言葉の吐露ってニュアンスのほうが近い気がする。

個人的には故小路啓之の「ごっこ」なんかと設定が結構かぶってはいるんだけど、同じく「愛」と「罪」を描きながらも作家によってここまで方向性が違ってくるんだなーと面白い再発見しました。まあ小路啓之フォロワーとはいえ、あの人の作品は根底に歪みのある愛(歪んだ愛情ではなく)をキモオタ的風味を使って描くから「罪」の方は「愛」の中に取り込まれていっちゃうんだけど、「八日目の蝉」に関しては最初から最後まで親子愛だし永作博美の「罪」もしっかり描いている分、大人的というかやさしくないというか。