dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

パイレーツとか

別に今更パイレーツとかそんなに観るつもりはなかったんですが、誘われたので観に行ってきました。IMAX3Dで観てきたんですけど、あんまり3D要素ないのであんまり必要ないかなーと。逆に4DXだと楽しめるような気もします。

 うんまあ、これといって書く事ってあんまりないんですけど、や、全然面白かったですよこれ。一応、最後の海賊だけで話が完結するようになってますし(mcu的なアレがあるので続編作る気満々ですが)。しかしデッドマンズチェストがすでに10年前ですしわざわざ見返したりしてなかったので細かいところが「うん?」となっていたりはしましたし、生命の泉とか多分観てないんでどう繋がってるのかとか知らないんですけど、監督はこれまでのシリーズとか別の人間だったからか、割とフレッシュでおバカな発想が多めで楽しかったです。まあよく考えれば車輪転がしながらの剣戟とか視覚的に面白い場面っていうのは以前からもあったりはしましたけど、そういう意味では今回も面白い場面は多めでした。処刑場面とか銀行強盗(文字通り)の場面とかは派手派手でバカらしく面白かったですよ、はい。正直なところ今回のメインキャラ二人に関しては結ばれる理由とかいまいち弱いような気はするんですが「美男美女が結ばれる」というポリコレ重視のディズニーには割と珍しい、いい意味で無頓着な寓話的な恋が見れたという意味ではまさしく頭空っぽの娯楽大作で潔い。ていうかバルボッサさんね、うん。今回はこの人が事実上のメインというかまあ、自分的にツボなポイントだたわけです。ジジイ萌え。

 だからこそ最後のターナー夫妻の部分はもうちょっとねぇ・・・両親いないんだからさーと思わなくもなかったり。まあ正しく娯楽大作あろうとする姿勢は素直に評価してもいいんじゃないかしら。

 

 Dlifeでレミーのおいしいレストランがやっていたので、そちらも観賞いたしましたです。カルアーツ出身の天才としてこれまでアイアンジャイアントmr.インクレディブルといった名作を監督してきたり、トイストーリー3といったものにもかかわっているアニメーション監督であります。個人的にはシンプソンズのブラッドバードってイメージがありますけど。トゥモローランドは批評的にも興行的にもイマイチだったらしいですが、自分は割と好きだったりします。「え?」と思うところは多々あったにしろ。自分には才能なんてありませんし、ひと握りの天才が導いてくれるというのであれば、それはそれで楽な世界ではありますし、一側面的には事実でもあるわけですから。テクノクラシーを論ずる気はないですが。

 わかっていたこととはいえ、やっぱりアニメーションが面白い。キャラクターの動きは言わずもがな、CGで作りこまれたぐんぐん動く背景動画など、リミテッドアニメにはない画面そのもの・キャラの動作といたダイナミズムが観ていて気持ちいい。アニメーションはやはり頭一つ抜けてます。あと「味」を視覚的に表現しようとしている部分なんかは中々面白い試みではありましたね。焼きたてジャパンとかああいう感じのキャラのリアクションで見せるというのではなく、あくまで抽象的な色と波紋といったもので表現するのとか、同じディズニーのファンタジアっぽくもあったり。まあ、ぶっちゃけあまり伝わってこなかったですが。

 ストーリー面では王道に見えて少しゆがんでいるように思えます。それは多分、才能に固執するブラッドバードの作家性に起因するのでしょう。普通、リングイニがウェイターのまま終わるってちょっと「アレ」って感じになるでしょう。ダブル主人公でありながらリングイニが実はよくわからないキャラであり、レミーが主人公性を一身に背負っていることからしてすでにバランスがいびつなわけで。リングイニって最初から最後まで何がしたいのかよくわからないんですよねぇ・・・シェフになったいきさつもなりたくてなったというわけでもないですし、それゆえにシェフではなくウェイターとして働くことにまったく苦味がないというのも筋は通っているのに物語的にはすごく悪手にも見える。それなのに面白いんですから、やっぱりいびつだなーと。あとイーゴとかいうエゴそのもののキャラとか、批評家あたりの描写なんかもかなり恨みつらみのようなものが見えたりもします。DlifeのCMの合間に挟まるちょっとした解説なんかも中々あなどれず、イーゴが死神として描かれていることの描写なんかの解説は気づきませんでした(部屋が棺桶の形だったりタイプライターが髑髏だったり血をイメージさせる色を貴重にしていたり)。

 才能ある者の挫折だけを描くのではなく、対比的に才能のない者を対岸ではなく同じ岸辺にて描くといういびつさは、これまで観てきたレストラン映画(?)とも違う奇妙なものでした。シェフ~三ツ星フードトラックはじめました~とも、二つ星の料理人とも微妙に違う独特の語り口があったとです。そういえばレストランものの映画ってハズレないなぁ。

 あとプリディスティネーションも観たんですが、こちらも中々面白かったですがタイムパラドックスというか、閉じた時間における壮大なマスターベーションという感じでなんだかいたたまれない感じでした。や、面白かったですよ、ハイライン原作ですし。