dadalizerの映画雑文

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大吉二連続

ジェイク・ギレンホールと(あえて言わせてもらおう)真田広之がメインを務めるSFホラー映画「ライフ」と「ジョン・ウィック チャプター2」を観てきたでごわす。大吉も大吉、特に前者に関しては予想を超えてきてくれて、ちょっとびっくりしましたね。まあ大吉といっても、細かく見ていくと恋愛の項目が微妙に悪かったりって感じの大吉ではあるんですが、それを補ってあまりある予想ガイな作品でしたよ「ライフ」は。「ジョン」に関しては一作目が一作目だけに不安もなく観れたので、ほとんど引く前から大吉をゲットしてたみたいな感じではあるんですけどね。しかし「ジョン」の世界観めちゃくちゃ魅力的ですなぁ・・・や、あの世界に入りたいかと言われると微妙ですが。

 ジョンの素晴らしいところは馬鹿映画じゃなくて演出が優れているところだったりするんですよね。最後の公園の広間のところでの全員静止する場面とか、言外にこれからジョンが歩む道が煉獄じみた険しいものであることをスマートに表してくれます。お前ら全員そうだったんかい!ってな感じで。ミラーハウスでの銃撃格闘も中々どうして侮れませんですね。防弾スーツのフロントダーツとフロントカットを使って体を守るところとか、駅での高低差を使ったスローかつ高度な銃撃戦などなど、脳汁出まくりです。伝説のブギーマンの割にまあまあ苦戦するところとか、前作のはブランクがあったからなのかと思っていたのですが、どうやらリアリティということらしいです。そこがまた良い。ローレンス・フィッシュバーンは相変わらず自分から動かないくせに権力だけは持ってる胡散臭いおっさん役として出てます。あとアナログな感じ! ジョン抹殺の依頼を全世界の殺し屋に通知するコンチネンタルの電信部門のあのアナクロな感じがたまらなさすぎる。裏の世界にいる人だけに届くメッセージ。彼らが持っている端末もコンチネンタルの支給なんだろうかーとか妄想が止まりません。あと主席連合12席をすべて見せて欲しいですな。ロイヤルナイツ的な。アクションに関しては言わずもがなでしょう。

 で、個人的に大当たりだった「ライフ」ですよ「ライフ」。こーれが予想を超えてきてくれてびっくり。まず映画冒頭の長いワンショットでISS国際宇宙ステーション)の内部が映し出され、その狭苦しく息苦しい空間で何かが起きることを暗示させながら一人一人をカメラに映し出します。ドントブリーズでも同じような手法が使われていましたが、閉塞空間を間を置くことなくアナログに映し出すということはホラーではかなり効果的なのでしょう。そして物語は生命体を持ってきた無人探査機「ピルグリム」を回収するところから始まり、ISS内のラボで調査を開始します。調査を初めて最初の数日はクルーたちの関係性や抱えているものが描き出されます。しかし右手を握りつぶされるところの描写は中々エグいです。骨折の痛みを知る人間からすると、あれはキツいです。そこから成長した生命体がラボを抜け出し・・・という感じで展開そのものにはラストを除いてこれといった新鮮味があるというわけではないです。が、ISSという実際にある場所、それも極度に限定された無重力空間という現実にある非日常的空間は、やはり真っ暗で広い劇場で体感するのが一番でしょう。まースターとはい一番最初の犠牲者であるライアン・レイノルズがパンフやポスターのメインを務めるのは詐欺な気もしますが・・・そういう瑣末な部分は置いておいて、わたしがこの作品で気に入った点は「現実的と地続きにある得体の知れない恐怖」を生命体の造形で見せてくれた部分でしょうか。話の構造なんかはまんま「エイリアン」そのものなんですが、「エイリアン」がエイリアンという生命体・造形として完成された生物によってなすすべなく人間が殺されていくのに対し、「ライフ」ではあくまで地に足付いたデザインの生物が襲ってくるところでしょう。アメーバのヒトデのような、半透明で葉脈のようなものが浮きだったデザインは生理的な気持ち悪さを際立たせます。この恐怖感は、「エイリアン」や「遊星からの物体」のようなものではなく、むしろ「ミクロの決死圏」などの自分の体の一部などの「細胞」そのものに脅かされる恐怖に近いと思います。現に、劇中の生命体はあくまで単細胞生物であることが強調されていますし、作り手もある程度意図しているのではないかと。まったく違うものではなく、一定の近似を見せているからこそのおぞましさ。それでいてエイリアンのように明確に顔や手といったものがないため、そういったもの以上に理解ができないためエイリアンよりも怖い。ただし、得体の知れないなにかであるのは中盤までで、成長を続ける中で明確に顔が形成されてしまうんですよねぇ・・・これははっきりって失敗だったと思います。デザインそのものは好きなんですけど、顔を作ってしまってはもはやそこからなにかを読み取れてしまうんですよね。それすらできない単純な細胞生物だからこその恐怖だったはずなのに。単細胞生物でありながらーというのを狙ったのかもしれませんが、だったらなおさら顔とかいらないと思うんですよねぇ。ここはちょっと残念なポイントでした。

 あとは後半まで生き残る真田広之が急に別行動に出るところとか、いまいち分かりづらかったです。いや、忖度できないわけでもないんですけど、それにしてはあまりに唐突な行動すぎるんですよねぇ。あと生命体視点のあれとかいらないかなーやっぱり。まあ気になった点はその程度で、あとは全部大好きですね。

本能でヒトを襲う生物と憎しみという人間に特有の厄介物でもって生物を殺そうとするヒトをセリフでわかりやすく強調しているのとか、気が利いてます。

宇宙服の中で溺死するキャットさんとか、なんだか日本語が怪しい真田広之とか色々注目したいポイントがあるんですが、やっぱりラストこそがこの作品の素直さを象徴していると思ふ。

いわゆる完全なバッドエンドなんですが、普通なら匂わせる程度で終わらせると思うんですよね、こんなビッグバジェットだと。脱出船が二つ飛び出した時点で、わたしは「あーこのまま実はどっちがどっちなのか曖昧にしたまま終わらせるんだろうなー」と思ったんですが、ところがぎっちょんてれすくてん。明確なるバッドエンドで終わります。二つ飛び出した脱出船の両方が地獄行きだったという救いのなさ。そんでもってエンドクレジットにスピリット・イン・ザ・スカイを流す意地悪さたるや・・・。

いやーマジ最高でした。