dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

上げて落とすサメ映画

よく考えたら映画館でサメ映画を観たのって初めてだということを思い出した。

そりゃまあジョーズのような後世に残るサメ映画の体験はできなかったですけど、「海底47m」も中々どうして面白い映画でしたよ。

面白い、というよりも怖い。サメそのものの恐怖もそうですが、何よりも海底という場所が恐怖を煽ってくる。「ゼロ・グラビティ」を映画館で体験しそこねた身からすると、あれもこんな感じなのかなーと思ったり。

タイトルバックとかもB級っぽい凝り具合で、酒が血のように見えていってタイトルの文字が赤く染まるのとか、ああいうの好きですわ。わたくし。冒頭のワンカットのかすかに聞こえる水の音(ししおどしのチョロチョロ音がわずかに聞こえる程度)の感じとかやっぱり、映画館で立体の音響環境で聞かないと恐怖体験できませんよ。アンビリーバボー。

 実のところサメが襲ってくるのはかなり中盤以降なのですが、いわゆるホラーの典型のようなおバカキャラが次々に死んでいくタイプではなくて、主人公にキャラ付けされていたりサメに襲われる状況に至る理由が明確だったりするのも微妙に凝っていて好印象。いやまあ、そのせいで逆にバカっぽさが際立ったりするんですが、マイナス思考で悲観的な姉が妹のためにケージの中から外に飛び出すところとか、グッとくる部分がありますです。

 ブラフというか音楽で煽っておきながら別に何もないというパターンが三回くらいあったのはさすがにくどいような気もしますが、それのおかげでいつサメが来るのかドキドキしながら身構えてしまうという効果を生み出していて、自分はかなりびくついていました。ドッキリ系、本気で驚くタイプなんで。

 あとはまあクライマックスの仕掛けはまあ、窒素酔いのくだりで「幻覚(だっけ?)」というワードが出たあたりで予想はできていましたし、姉が実は生きていたというところで「えー?」という感じではあったのですが、ジャンル映画だからこそここまで潔くできるのではないかと思います。ていうか、幻覚にしてもちゃんと食われるところを見せてくれたのはサービス精神旺盛でサムズアップ。

 ただ、姉の死に際をごまかすためだったのか予算的な都合なのかまではわかりませんが、水中でサメに食われる描写がいまいちよくわからないのはうーんという感じ。少なくとも仕掛けが発動する前に男が一人食われて死んでいるわけですから、そこはしっかり映してくれるともっと良かったなぁ。

 でも全体的に満足です。サメのジャンル映画としては中々面白いのではないでしょうか。少なくともシャークネードよりはまともにホラー映画してますし。

 ラストのラストもちょっと皮肉っぽくていいですね。幻覚の方ではサメに足を食われながらも姉妹共々生還して「海から顔を出して太陽の下に出ることができた」のに対して現実は「救助隊に救われたが妹は死んだ上に海の中」を浮かんでいく途中で映画が終わりますから、はたして姉にとってはどっちが良かったのだろうかと。

 いいじゃんいいじゃん、面白いじゃん。ってわけで、夏に涼みたいという人はこの映画をおすすめしていいと思ふ。 

 

 だけんどね、パンフが売ってなかったんですよー。撮影に関することとか知りたかったんだけど、パンフ取り扱ってなかったんですよー。おいおいイオンシネマこのやろう。ほかの方のブログではパンフレットから引用している文章があったのでパンフがそもそもないということではないらしいので、ちゃんとパンフレット仕入れてほしかったなー。