dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

あ、春

 なんか、普通に名作な気がするんですが、これ。そのくせ名作ぶってないところがすごいかっこいいというか。いや、キネ旬で1位取ってるみたいですし評価されてるんでしょうが、あんまり話題にならない気がする。わたしだけ?

 相米慎二監督の作品はこれが初めてなんですが、春日太一が24時間ラジオで言及してたので名前だけは知ってた。で、それがストッパーになってくれて良かったす。笑える小津的で結構すきだ、この人。

 メインから脇にいたるまで、キャストも今を(も?)ときめく役者が揃ってますぞ。

 佐藤浩市はともかく、斉藤由貴がメインに出てくるのは色々と笑ってしまった。時勢的に。余貴美子とか三浦友和とか、そこまで出番ないんですけど若かりしときを見ると中々新鮮。そういえばこの間の大魔神のときに若い平泉成がいて、よくみなきゃわからんくらいでしたよ。

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 個人的には医者役のツカシンと酩酊して浮浪者たちに因縁つける木下ほうかとか、ほんとうにちょっとの出番なのに有名どころを持ってくるのがウォーリーをさがせみたいで楽しかった。ウィキで知ったんですがあの看護師河合美智子だったんかいとかね。

 でね、斉藤由貴がエロかわいい。奥ゆかしいんだけど、ちょと病んでるところとか、寝ている佐藤浩市の腹を噛むところとか(このシーンの意味はまだわかってないんですが、ラストの山崎努が腹でひよこを孵化させたことの暗示かなにかなのかしら)エロいです。最近のテレビに出てた斉藤由貴も年齢を感じさせながらもエロいんですが、若妻のこっちも童顔でエロ可愛い。

 話はまあ、なんというか、親子の話ではあるんですけど、なんだか笑えつつも笑えないのがまた笑えるバランスで、すごい絶妙ですよね。血が繋がっていないとか、それを今このタイミングで言うのか、とか。全然洒落になってない部分も、パロディとして笑わせてくる。

 あとカメラアングルが独特でかっこいい。斜め45度くらいからワンカットで長回しをするところとか、画面内でメインの情報とはべつにちょっとした情報が入り込んでいたりするのもあざとくなくていい。カメラの極めつけは佐藤浩市山崎努を窓ガラス越しにズームするとこでしょうな。ああいうのを素っ気なくやっちゃうのがクールですよねー。作品の内容に対して、割と冷静というか。

 ラストシーンで、山崎努にかかわった女が全員笑顔で遺骨巻いてるところがすごい好きです。