dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

死霊のはらわた(オリジナル&リメイク版)

 こうして見ると、技術の進歩というものは凄まじい。プロットと同じだけでほとんど別物でしょ、これ。

 チープゆえに過剰に盛り込むことで漫画的で戯画化されたグロテスクを楽しませてくれたサムライミのそれは、つまるところギャグであった。「痛い痛い、痛いってそれ(笑)」というようなニュアンスであり、バラエティ番組の短い動画の失敗シリーズを見ているときにも似た安全圏からの痛みを楽しむことができた。

 ところがぎっちょんてれすくてん。フェデ・アルバレスのリメイク版はほとんどsawのそれであり、笑えない領域にいっている。sawですら(予算とかの都合で)ここまで徹底的にやってはいない。

 それでも相変わらずテンションは高いため、どうにか耐えられる。これが清水崇白石晃士の「グロテスク」のようにテンション低いのにやってることが滅茶苦茶ヤバイのだと感情の障壁とも呼ぶべきものがないためダイレクトに痛みを伝えてくる。

 とはいえ、現代の技術でリメイクしたらそりゃそうなるわ、という当然の帰結ではある。

 同じように、技術の発展により大きく楽しみ方が変わったものとして、着ぐるみゴジラとCGによるゴジラの違いに似ている。同じ名前を冠した作品とはいえ、もはや別物である。しかし、着ぐるみには着ぐるみの愛嬌があるものだし。平成ガメラなんかはずば抜けた特撮技術のおかげで後者の楽しみ方ができるところにもあるような気がする。もちろんそれは、平成ガメラのCGの質が良かったとかそういうわけでは全然ないのだけれど。