dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

アラビアの異常な愛情

 「アラビアのロレンス」の4kレストアと「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」の録画を消化。

 「アラビア~」は吹き替えで見たんですが、演者もそうですが吹き替えメンツも豪華で(おそらく)洋画劇場最後の世代である自分にとってはもう辛抱たまらんですよね。ていうか吹き替え3バージョンくらいあるっぽいですね、これ。BS朝日で観たのですがウィッキーさんによるとテレビ東京版の吹き替えなのは、ディスクにもこっちが収録されているんでしょうかね。テレビ朝日版の吹き替えもあるし。今は亡き永井一郎滝口順平、そして主人公のロレンスには言わずと知れた山寺宏一。個人的にツボだったのがおマーシャリフを吹き替えた磯部勉。ちょっとロレンスとのブロマンスっぽい部分があるんですが山寺×磯部ってなかなか新鮮じゃありませんか。

  4kって具体的にどういうことなのかよくわからんのですが、レストアということ自体がそもそも「リマスター」の過程の一つらしく、フィルムの傷やら汚れやらゴミやらつなぎ目やら退色やらを1コマずつ修復することだそうな。なんか、気が遠くなる作業のような気がするんですが。「アラビア~」なんて227分ですからね。

 しかしそのおかげでまったく普通に観れるのがすごい。過去の作品って割とノイズが入っていたりするのもありますから、細部がわかるというのは普通にありがたいですな。そういえば去年だった今年だったか「七人の侍」のリマスターが上映されていたっけ。ぶっちゃけBSで見たやつは結構荒かったのでリマスターで観たいなぁ。

所々で原語のままだったのは完全版の吹き替えは収録してなかったってことなのかな。

 という枝葉末節(ってわけでもないんだけど)はともかく幹の部分に関して。

 撮影が良い。広大な風景の中に人物を配置するロングショットとか、地平線と人物の位置どりとか、最近だとインターステラーとかプロメテウスくらい派手なロケーション撮影じゃないかしら。デヴィッド・リーンの「戦場にかける橋」ではそこまで意識してなかったんだけど。

 勝手なイメージで痛快無比の冒険活劇的なものだと思っていたんですが、もっと全然ダークなお話だった。ダークっていうのもアレですが。そもそも、そのイメージというのもインディージョーンズとハムナプトラによるものなんですが。

 主人公の死から映画が始まるという、ある意味で末路をさきに見せている映画があったなーと思ったらジョン・ヒューストン監督ショーン・コネリー主演の「王になろうとした男」だった。

 ロレンスは実際の人をモデルにしたらしいのですが所々違うっぽい。階級とか。しかしあれだけのビッグバジェットでハッピーエンドじゃないって中々ないのではなかろうか。どうせなら劇場で観たかったかなーこれは。

 

 という散発的な感想。ということでキューブリック

 キューブリックは「2001年~」だけは観ていたんですけどねー途中で寝落ちしかけたんですよねー。最後の方とかよくわからなかったし。キューブリックが脚本にあったナレーション(?)を削ったということらしい。嫌味なヤローです。

 単純に話としてはこちらの方が好きかなー「2001年~」より。あっちより単純でわかりやすいし笑えるし。笑えるっていっても、あまりに滑稽で寒々しい上にキューバ危機のifでもあるのでぶっちゃけ笑えなくもあるんですが。やることなすこと全てが後手後手。手を打つもそれが最終的に破滅のきっかけになるのとかねぇ。

 あとストレンジラヴ博士の動きがそれっぽくて好印象。タイトルになっているくせにストレンジラヴの登場時間が短い。というのはどうでもいいのですが、同じ作品内で完全に別の人物を同一の役者に演じさせた理由はなんなんだろうか。と思って調べたらコロンビア側の要請だったらしい。