dadalizerの映画雑文

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ニューヨークのギャングで見るアメリカ国

GyaOってガッシュの呪文にありそうですよね。ギャオウ・〇〇ガみたいに。

それはともかく「ギャング・オブ・ニューヨーク

スコセッシ+ギャング(やマフィア)という組み合わせはほとんど毎回、同じような話であるような気がする。というか、そうでない作品でさえ「何を信じるのか」ということが根っこにあって、殉教の形を模索しているような気さえする。

それを直接的に描いたのが「沈黙」であったのだろうから、スコセッシにとって「沈黙」が大なり小なり彼にとって思い入れのある作品であることも頷ける。

とかいいつつ、この「ギャング~」もウィキによるとこんなことが書いてある。

監督のマーティン・スコセッシは「構想に30年を要した」と語っている。

「沈黙」よりも構想長いじゃん!という安易な突っ込みの代わりにナウくんの科白を引用しましょう。

「構想13年って言っても13年間考えてたワケじゃないからな」

まあそういうこと。

しかしどこでロケしたんだこれーと思ったらスタジオのセットらしくてびっくらこいた。→ローマ郊外の大規模映画スタジオである「チネチッタ」に当時のニューヨークの町並みを完全再現して行われ、撮影期間270日、制作費約150億円を投じて制作された。

150億円って制作費回収だけでもかなり苦労すると思うんですけど、世界で190億以上だし日本でも30億稼いでたらしい。さすがスコセッシ。

 

ディカプリオは相変わらずですが、キャメロン・ディアスがこういう作品に出るイメージがあまりなかったので意外。軽い映画ばかりに出ていましたし。

あとリーアム・ニーソン。この人って父性的なキャラクターを演じることが多いですねーほんと。今作では出番は本当に少ないですけど、ディカプリオの葛藤を描くために重要な役どころではあるので、少ない時間の中で顔面や演技だけでそれを表象させなければいけないわけですから、それを考えると納得。

 

わたくしは日本史も世界史もぱっぱらぱなので日本の歴史だってろくすっぽ知らないのにアメリカの歴史なんて知りません。が、本編の流れから最後のカットを観てしまうと、どうしたってその歴史に思いを馳せたくなるというもの。

最後はより大きな力の中に飲み込まれていく、その無情さや「信じるもの」への問いかけはやっぱり思考を促されますし。

エンドクレジットの最後までアメリカを表す自然な(自然の)音の使い方も秀逸。9.11後間もないというのもなんとなく意味深だったり・・・まあこれはバイアスでしかないんですけど。

 検索かければ親切なサイトが歴史的背景なんかを解説しているので、それを参考に見直してみるとまた違った見方ができるでしょうな。まあ人種対立や宗派対立とかはわからなくとも、単純に人間ドラマとして面白いので退屈することはないでせうが。