dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

昨日からの備忘録

 

えー昨日の夜にssffっていう東京国際映画祭と連携した短編映画の映画祭の初日がありまして、それを観に行ってきましたので簡単に感想と録画の消化を。

先に消化のほうから。

60セカンズ」です。このブログでも前に「すげーよかった」と適当な一言を添えただけではありましたが触れている「バニシングイン60」のリメイクです。

うん、ダメですねーこのリメイクは。まず話は別物だし悪い意味でハリウッド的な大味・場当たり的なイベント・無駄な感動要素などなどアルマゲドンもあわやというダメダメリメイクです。オリジナルはそのすべてにおいて「カーアクション」で見せていたのに対し、リメイクは本当に無駄が多すぎるしニコラス・ケイジはいつものニコラス・ケイジだし。強いて言えばアンジーはそんなに好きじゃないけどあの髪型のアンジーは割と好きかな。白色のドレッドってマトリックスレボのあの双子みたいですが。

画面の粒子は荒いけんどオリジナルの方がはるかにフレッシュで面白いですので、もし見るならオリジナルでしょうね。

お次は「大列車強盗(1973)」
うん、普通に楽しい映画でした。実は西部劇映画ってそんなに好きじゃないというか得意じゃないのですが、これは割と素直に楽しめました。ちなみにリメイクなのか1903年にも同名の映画ありますねー。大学の授業で観たことがあったのをウィキの画像で思い出しました。
 
さてさて最後は「ブラッド・ダイヤモンド
なぜかBSで放送されることがここ最近多いエドワードズウィックの作品。
ズウィックといえば彼が監督した作品「恋に落ちたシェイクスピア」の制作にかかわっていたハーヴェイ・ワインスタインのスキャンダルというか普通に犯罪行為が露呈してメディアを賑わしていましたね。ベンアフに飛び火してたのは笑ってしまいましたが。パルトローすきだから結構ショックなんですけど、同時にちょっと興奮します(爆)。
と、冗談はさておき本作「ブラッド・ダイヤモンド」ですが、これはかなりの秀作ではなかろうか。
個人的には上手くバランスを取れていると思う。どういうバランスか。現実と理想。特定の社会構造やパワーゲームを上手く描きながら、その大流の中でもがくディカプリオ演じるジンバブエ出身の元白人傭兵のアーチャーと革命軍に襲われ家族は離散し息子は少年兵にされる黒人のソロモンという個の奮闘と勝利を絶妙なバランスで描けていると思う。
善悪どころか限りなく悪一色に近い悪(RUF-革命統一戦線)と悪(シエラレオネ政府軍)のぶつあいを誘発・利用してさらに搾取と利益を貪る資本企業(アメリカ企業)。いやーまったく白人というやつは!という国家的・企業的な大きなイデオロギーの中で個としてのアイデンティティによって行動するアーチャーとソロモンの道程は、決して表面的には感動的でも穏やかでもない(そもそもアーチャーにはソロモンのように純粋な家族愛ではなくダイヤという欲望による行動原理が主ではあるので)のですが、しかし最後まで見ると欲望だけではい、なにかもっと別の、人種を超えた(本作ではおそらく生まれ育った環境によるアイデンティティと死を悟ったことによる諦念)結びつきがあることを示してくれます。
ジャーナリストが女性であるというのも、たぶんディカプリオという「男」の欲望=リビドーを掻き立て誘引し、結果的にあのラストに持っていくためであるでしょう。そう考えれば死に瀕したアーチャーとマディーのいささか臭いかけあいも納得がいく。この辺が単純なハリウッド大作的男女のコテコテ演出とは違うところなのでしょう。
どうでもいいけど吹き替え浪川なのかよ。あわねー(笑)。
 
というわけでSSFFの方はどうだったか。
昨日のプログラムでは「ベビシッター」「シュガー&スパイス」「ビッグシティ」「種子」「ゲット・アップ キンシャサ」と企業のブランド動画を15本という合計3時間のプログラムだったのですが、とりあえず短編の方は一つ一つ軽く一言添えていく形でいきましょうか。
 
「ベビーシッター」
美女と野獣のダン・スティーブンスが出ている2011年の短編映画。
まあ別に、という感じ。人の電話の履歴を勝手に見たりバッグを開けたりするのはよしましょう、という教訓(嘘)。あれ犬が死んでたら臭ってるような・・・。
 
監督であるMi Mi Lwinの両親の暮らしを映したドキュメンタリーなポートレート。登場する母親がうちの祖母に似ている。あの16分の中であれだけ退屈な母親のルーティーンを映すというのは撮影する方も結構大変そうだ。父親は地味に向学心があったりするのも、どことなく閉塞感を増している理由なのかもしれない。
 
「ビッグシティ」
これ、プログラムの説明に「タクシー運転手と客に芽生えた友情」っていう言葉があるんですけど、オチをふせるためとは言えあまりに意地の悪いのではないか(笑)
まああれですね、金の切れ目が縁の切れ目です。というのを金がなくなった側が能動的に行動に起こし、あるいはそれを金を受け取る側の視点から描いた作品でもある。これは今回のプログラムの中ではまあまあ好きな方です。
 
「種子」
演出面ではこれが一番上手かったかも。
まあレシピエントの母親が泣き出すところは意図としてはわからなくもないですが、やっぱり最後にドナー側の母親を強調するために抑えた方が良かった気はするんですが、レシピエントの子の絵とかドナー側の母親の表情とかは結構いい感じでしたよ。最後まで雨が降っていたのも好印象。
 
「ゲット・アップ キンシャサ
個人的にはこれが一番すき。
上手くギャグも挟んできてくれるし、少年のしたたかに人生を生き抜こうとしている姿勢が非常に観ていて微笑ましい。やっていることはアコギですが。
この子が将来、武器商人になって紛争の火種を世界にバラまいているという二次創作を誰かやってくれまいだろうか。
 
ででで、ブランド映像が15本。要するに企業のCM動画ですな。公式で観れるものなので一応urlも貼っていきます。
 
ちなみに「企業名:作品名」といった形で紹介していきます。
 
鶴弥:耐える男たち
感想:結構早い段階で「瓦」であることが読めてしまいました。えーまあ予算の都合とか色々あると思いますが、体格がバラバラの人を使ってしまうと品質にバラつきがあるのか?と自分のように邪推する人間が出てくるのではないかと思います。
 
 
hp:The Wolf ft
感想:会場で観た動画には日本語字幕が実行委員会によってつけられていましたが、貼ってあるのなしですが、まあそこまで気にしなくてもプリンターのセキュリティーが甘いとそこから情報が抜き取られてしまうよーというのがわかる内容ではあるとおもうので。久々にクリスチャン・スレーター見たなーという印象。どことなくカイル・クーパーのタイトルデザインを思い出したりしたけど、よく考えると結構違うか。
 
docomo:25周年ムービー「いつか、あたりまえになることを。」   
感想:高橋一生の七変化が観れる。それだけで価値が有るです。あと「散歩する侵略者」から高杉真宙って高橋一生に似てるなー、兄弟役とかでなんかやってくれないかなーと思っていたので高橋一生の高校時代の役というので溜飲がさがった。
ともかく高橋一生萌え萌え。
 
Volvo:ABC of Death
感想:ドイツの2人の学生Daniel TitzとDorian Lebherzが制作した映像作品ですが、彼らはこれ以前にも「Dear Brother」という動画で話題になっていたようです。↓

vimeo.com

まあブラックなユーモアだなーという印象。会場の客も結構笑っていました。わたし自身はそこまでですが、まあ笑えるなーという程度。

 

NifMo:【短編ドラマ】轟満の先入観 ディレクターズカット版

公式サイトでショートバージョンとロングバージョンが観れるので公式サイトのurlをば

感想:えー会場で見たのはロングバージョンで最後に思い込みグラフではなく結構手の込んだクレジットが流れていました。結構面白いですね、相撲の伏線とか地味に貼られているのが芸コマ。ちなみに会場に監督とプロデューサー(だったかな)の軽いトークがありました。この短い時間でかなり上手くまとまっていると思うですよ、はい。

 

Take Note:A Life Story, A Love Story  

感想:これも日本語字幕付きで、夫婦が書置きを読みあってすれ違いがあって最後には孫ができたりして最終的には・・・という感じ。

 

TOYOTA:The making of new Vitz story   

感想:中々アイロニーな感じで面白いのと同時に、CMのCGがあれだけハイクオリティなことに驚き。元の俳優の演出と吹き替えのせいで若干臭みがあるものの、一般層に向けたCMとしてはおそらく正解なのでしょう。最近の運昇はガチで演技しているのかたまに不安になるのですが、どうでもいいか。あと「映画作ってるんじゃないんだ。CMを作ってるんだぞ」というセリフがこのブランド映像の難しさを端的に表しているような気がする。

 

Lacoste:Timeless, The Film (Director’s Cut)  

感想:特にない、かなー。動画見直すまで完全に失念してたし。あーでも関連動画のメイキングは結構楽しいかも。

 

バカルディ?:不明

動画詳細不明

感想:えーすみません。メモしそこなって動画が見つけられませんでした。たしかBACARDIっていう文字が出てきたのは覚えてるんですけど、それが酒だったかどうかすら覚えていないんですよねー。内容としては割と陽気な感じで、いろんな人の挙動を一時停止のコマ送りで見せていくっていう手法なんですが、製品まで覚えていなかったです・・・スマソ。

 

Guardian:Cannes Lion Award-Winning "Three Little Pigs advert"   

感想:三匹の子豚が実は狼を嵌めていたとしたら、という動画。昔から三匹の子豚に関して「豚が調子に乗っている」という絵ヅラがとても不愉快だったのでこれは結構好きな部類。

 

The Real Cost:"Straw City" (:60)

感想:狼の哀愁。

 

TOYOTA特別編 - 「THE WORLD IS ONE -MULTI SCREEN-」

えーなんか特別編の動画が見れなくなっているので、とりあえず二種類貼っておきますが、会場で見たものは三ヶ国+未来バージョンが四つ同時にスプリットスクリーンで流れていくタイプでした。

www.youtube.com

www.youtube.com

感想:すごい日本的なやりとりな気がするんですが各国でもこんな感じなのでしょうか。あと別におっぱいの感覚しませんからね、試したことあるけど。

 

Burns and Smiles:the fight of the burn victims to change other people's look

 

www.youtube.com

感想:公式サイトは英語ですらないので詳細はわかりませんが、やけどを負った人を支援する団体かと思われますな。ハロウィンだしなー、やけどが仮装に思われるからこの一日だけは笑顔でいられるというのは、中々辛いかもですな。やけどを負った人には悪いんですが、むしろかっこいいような気もするんですけどねぇフレディみたいで(みたいというかあれもやけどですが)。

 

マツ六 :『母の辛抱と、幸せと。』 

www.youtube.com

感想:この作品も社員(社長?)の方が会場で軽く作品についての解説をしてくれました。 たしかに映像作品として考えるとお涙頂戴というのは考える余地があるのですが、CMということを考えるとやはり情動に訴えかけるのがベストなのでしょうねーというわたくしが常々考えていることをトークでもしていたので、意図的にエモーション重視で依頼したとのこと。ええ、泣きそうになりましたわたしも。

 

SANTANDER BANK:BEYOND MONEY

www.youtube.com

感想:なげーよ。17分て短編じゃんすか。とかいいつつ普通に楽しんで見ていたんですけどね。SFに限らずファンタジー(ダンブルドアも記憶抜いてた気がする)とかでも割とある、あるあるネタ。記憶を売買するというもの。まあ銀行のCMとは思いませんでしたが、結構なお金が掛かってそうですぞ、この動画。そりゃまー一つの映像作品としてみたら色々と「どうなのよ」と思うポイントはありますけど、しっかりと序盤での伏線とか貼ってあったりしますからタダで見れる短編としては申し分ないのではなかろうか。

 

とりあえずこんなところで備忘録おしまいける。