dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

モザイクデカ過ぎ

アベマで「ふがいない僕は空を見た」を観たんですけど、モザイクでかすぎ。

それはどうでもいいです。普通にいい映画でした。ダンサーインザダークをソフトに包んで地に足つけることを意識したような作りになっている。

窪田正孝が相変わらずいい演技なのと、声がまだ高いおかげで高校生役も違和感ない。ていうかケータイ刑事の流れから見てないと短髪に違和感あるかもしれんですね。

あと瑛太の弟本当に瑛太に顔似てるなぁ。

 

ま、話はすごくわかりやすい。生と性の話だし。ただスマホで見てると役者の表情とか(特に目ね)わかりづらかったりするのがねぇ。窪田正孝の最下層貧困なのに傲慢(プライド)のせいで飢え憤怒嫉妬で永山絢斗のハメ撮りをばら撒いたりと、キャラ造形がクリシェに陥っていないのもさる事ながら窪田正孝の目のおかげもあるんだなぁ。ハメ撮りバラまくとこはすごい観ていて微笑ましかった。ちょっと「ダンサー~」のビョークのミュージカルシーンとも重なる現実へのレジストがとてもよい。

田畑智子はなんていうかもう、絶対に幸せになれなそうでギリギリのところでなれそうでやっぱり最後はバッドエンドに行きそうな存在感とか絶妙だし。JTの人の絶妙なキモイ演技のおかげでどこか屈折した夫婦生活(姑が来ると平然と姑の横に座る夫とかの演出も光っていましたね)であることがわかる。よだれと涙ですぎで笑ってしまったんですがね。ウィキには愛情を持っているとありましたけど、あるか?どう考えても嗜虐嗜好と性欲発散のための実に都合の良い存在としてしか見ていな異様な気がするが。まあ愛情というよりは、固執だろうか。

あとみっちゃん。みっちゃん最高。こういうじとじとした話の中でああいうサバサバした人がすっぱりさっぱりした振る舞いをしてくれると気持ちいいですよね。

ショタコンボンボン犯罪者の三浦くんもどっかで見た顔だなーと思ったらあの進撃の巨人でジャンの役をやっていたんですね(笑)。進撃では臭みのある演技だなーと思った(声質もあるんだろうけど)のですが、こちらでは普通に演技ができていたのでやはりあれは演技指導の問題なのだな。

あの人の「俺はどうしようもなくダメなやつだから、どうしようもなくいいことしないと釣り合わない」みたいな台詞があるんですけど、この考え方はすっごく自分が世界と向き合うときのスタンスに似ていてかなり共感できた。そりゃ小さい子供に手を出したらいかんですが、それが悪であることは彼にもわかっていて、それがどうしようもないからこそどこかで贖罪をしようとしているわけで、実に人間的ではないか。

 

全体的にいい映画だったけどあくつと松永に関してはもうちょっとどうにかならなかったのだろうか。特に松永に関してはなまじ尺を取ったがために最後にアップで映してしまうのは逆に消化不良感が増してしまっているような気がするが。あれはもっと引きで撮ってクラスメイトとか全体の中ですこし目立たせる程度のほうがより普遍性を帯びるような気もしますが。

 

ただまあ最後の最後で「やっかいなもんつけて生まれてきたな」という台詞で色々と許した。そういえばマウスの話ですが精子いらずで子供が作れるという話があったっけ。そうなると本当に不要になりますね、チンコ。逆に精子だけでも子供が作れるらしいのですが。