dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

消化録

ムカデ人間3

もはややっていることもやろうとしていることもサウスパーク(劇中でも「サウスパークでネタにされましたよ」とか言っているし)の領域で、バーホーベンっぽさもある。ただしメタ構造のライブアクションであるという部分がアニメーションであるサウスとも違うし、あくまで劇中を一つの世界として完結させているバーホーベンの手法とも違う。

アメリカ国歌のアレンジ曲とか国旗とか、まあ色々とやりすぎている部分はあるんですが、あれだけの熱量と暖色で色彩設計しているのにラスト付近はTHX並みの寒々しさと上級国民(笑)同士のパワーゲーム的な愚かしい可笑しみもあって笑える。

あと人体に穴を開けて(傷を作って)そこに陰茎を挿入するというのは以前から自分も考えていたので、トム・シックスが同じ発想を持っていることに嬉しいようなそうでもないような複雑な共感をした。

 

トラ・トラ・トラ

当事者でない者の視点から見た感想なので、当時この作品を劇場で観た人とはかなり異なっていると思う。

当事者でないというのは、もちろん戦争を体験していないということでもあるし、それ以前に、この真珠湾攻撃直前およびまさにその瞬間を描いた映画が封切られた時代を知らないということでもある。つまり、その時代の名優たちを知らない(例外を除いて)ということは、とりもなおさず全ての俳優が均質化されることであり(そもそもの作劇方法として俳優の個性を前面に押し出すタイプの映画ではないこともある)、それゆえに真珠湾攻撃という状況に至るまでの歯車としての個ーー大流に抗おうとも結局は巻き込まれるしかない無力な個としての軍人を描いている者であると自分は受け取った。

劇中では様々な人物が様々な思惑を持って行動し、ある者は真珠湾攻撃を避けようとすらしている。そしてどうにもならず嚆矢として真珠湾の攻撃が開始され凄まじい特撮によって爆発が描かれ第二次世界大戦へと歴史を辿ることになっていく。

あるいは、状況も情勢も大幅に異なっているとはいえ、スタニスラフ・ペトロフが核発射に承認した場合とも考えることができる。や、単純な比較ができないことは大前提としてあるわけですが。 

 

「RONIN」

なんかこう、アクション映画の割に全然派手じゃないのはともかく長いカーチェイスとかの演出のバランスがよくわからない映画。BSで見たからかなりカットされてるみたいなんですが、どうもデ・ニーロのセルフオペシーンがカットされていたみたいです。ここもかなり尺を取っていたみたいですが、残念ながら見れず。

いや、本当によくわからないバランスの映画で困る。雰囲気はすごい真面目なんだけど演出の勘所が妙に戯画的なせいで笑えてくるのとか、中盤の短いカーチェイスでの街に入っていく車から街の全景を映すところの何とも言えないダサさとか、天然バカみたいな映画。

デ・ニーロとジャン・レノの組み合わせはまあまあいい。