dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

キサマらの撮ったものは、バーホーベンが20年前に通過した場所だ!

うーん、それとも「マーズアタック!」のスタンスなのだろうか。

 

というわけで、例のごとくアベマの日曜ロードを視聴。大根仁の「恋の渦」ですが、なんていうかこう、知能指数をゴリゴリ削られるというか、どこまで自分の品性や知性と向き合ったまま(あるいは、人によっては過去とか)笑えるかというような、頭空っぽにして楽しもうとさせてくれない底意地の悪い作品ですなぁ。

大根監督の作品って大概が人間の愚かしさ・・・というとあまりに壮大なので、せいぜいが下品さといったものを描いていると思うのですが(2作品くらいしか見てないけど)、それを笑えるか笑えないかというよりはどう笑うかといった部分に向き合わないと、監督の思うツボのような気がする。

全体的に面白いし普通に笑えるんですけど、ちょっと細かい部分でいろいろと気になるところが。

まず誰もが、知っていれば目につくであろう「サウスパーク」のポスター。ハゲは解説でキャラ付けとしての機能のみに言及していたが、あれはどう考えたって「恋の渦」という作品そのもののスタンスを如実に示すためのツールでしょう。だって、そうでもなきゃあんなにデカデカと映すわけないですし。ただ、どう考えてもこの映画に出てくる人種はサウスパークに接触する機会ねーですよ。確かに、登場人物の中ではかろうじて知性的な部分を見出すことはできなくもないでしょうが、ハゲが言及したとおりヴィレヴァンには届かないドンキ止まりの人間であって、そこにいけないということはサウスに到達するはずがないというわけで、まあキャラクターとしての設定に齟齬があるようにも思える。

あとはまあ、「BLEACH」も微妙なラインだろう。あえて「ワンピース」を避けたという感じがして、逆にわざとらしいというか。

予算の都合などもあるのでしょうが、そういう隙がバーホーベンのエピゴーネン臭をわずかながらでもさせてしまう要因になっているのだろう。しかしまあ見る人によっては底辺観測の「マーズアタック!」スタンスとしても見れる(というか、サウスパークの時点でこっちよりなのだろうけど)ので問題はないのでしょうが。

 

いや、まあ面白いですしヒットする理由もわかりますが、これがヒットするというのもそれはそれでむず痒い。もっとも、動向を知るためのリトマス試験紙としてこういう映画があることに意義はあると思いますが。