dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

ピエール瀧が淫行で捕まる映画

しかも思ったより早く退場するし。まあ主人公の諸星(綾野剛)の行く末を暗示するという機能性は十分に果たしてくれているわけですが。

しかしあれですね、昨今の日産やら神戸製鋼やらの不祥事が明るみになった今の目で見るともはや「そりゃそうでしょうね」という納得すらしてしまう。

 

この映画、最初の時点からこの映画が語ろうとしていることを端的に示している。要するに道警の建前主義やら違法性、勝てばよかろうなのだ精神。この映画が全編に渡って描いているのは、結局のところ全国柔道大会に勝つために諸星を警察に入れさせたことの延長でしかない。タイトルが出るまでの写真や新聞が地味にこれから先に起こることを予見していたり。

最初の方なんかは緩めの刑事ドラマにありそうなBGMと映像の汚穢感とのミスマッチ具合が絶妙に気持ち悪かったりするわけですが。ほのぼのとした日常を演出しておきながら、やっていることはアレというのがなんともいえない。

 

システムそのものが腐敗している+主人公がストレートな馬鹿=コレ。

はっきり言ってしまえば思想統御の一辺を垣間見せる、この先にあるのがディストピアなのである。道警という組織、というかほとんどシステム化してしまっているスコア制度の中でそれに誰も疑義を呈することなく当然のように隷属している。や、それは少し言いすぎであるわけで、疑念を挟むというか自己保身からくる恐怖を表出させることはありますか。

システムによって疲弊した人間を救うために情みたいなものが見えたりするあたり、前日に北野映画を観たあとということもあって凄まじくストレートで笑えてきてしまうのですが。

 

全体的に綾野剛の変顔とかデフォルメな演技とか、まあコメディだよなぁと。劇中での時間経過に対して人物の顔の変化のなさというか、カリカチュアされているのでかなり笑えるのですが、綾野剛にあの髭って全然似合わない気がするんですけど。武曲はそこまで気にならなかったんですけどね。結婚式でチャカという言葉が出るのも、そのシーンを感動げに見せているのが笑えたりしますし。普通にコメディとして見ても面白いし。

 

ラストのカットで日の丸国旗を大写しにして「諸星以外の道警関係者は未だ一人として逮捕されていない」の文字が

ちなみにこればアバンの国旗アップからズームアウトしていくのと対比になっているんですな。音楽もオープニングと似たのになっているんですがやや間の抜けた感じになっていたり演出も細かい。

 

あー「バーフバリ」とかも見に行きたいんだけど体ががが。