ベルセルクの元ネタの一つなんかで、映画ファン意外にも割と知名度のある「ヘル・レイザー」。リメイクが発表されて5年が経ちそうなわけですが、ハーヴェイ・ワインスタインの弟であるプロデューサーのボブ・ワインスタインにもセクハラ疑惑が浮上していたり、遅延が予想される中でオリジナルを今更観る自分の嗅覚の鈍さよ。
そんなわけでようやく動くピンヘッドを観れたわけですが、直前に「ファイナル・デッドコースター」を観ていたということもあって、当然といえば当然ですが一言に「グロテスク」といっても異なるものなのだなぁと痛感いたした。
「ファイナル~」シリーズの方は、要するに結果としてのギャグ的なグロ死にで売りつつその過程のハラハラを楽しむものであるわけですが、「ヘル・レイザー」の方は幻想映画としてのスパイスに「見てて痛い」グロさを見せつけてくる。釘が手にひっかかて血が出るシーンとか、出血の量が割と笑えるとはいえ痛みの質がやたらとリアルなせいで目を背けたくなる。似たものだと映画ではなく漫画ですが「魔王juvenile remix」のスピンオフの「waltz」で蝉のささくれをびりびりと剥がすのが近い。
まあ大方の人の楽しみ方と同じで、自分もセノバイト側の世界に萌えていました。ていうか、割とそれだけ(ってわけじゃないけど)の映画ではないでしょうか。異世界に繋がるシーンは「パンズ・ラビリンス」の元ネタなのかなーと思ったり、まあともかくそういう異世界デザインとか異世界とのリンクするシーンを楽しむものなんじゃないかな、と。地味にホラーでテレビの異変というのを描いたのでは「リング」に先駆けているんじゃないかとも思うし。
人体模型のようなフランクが服を着ているちぐはぐなシーンとかいいですよねー。
ただまあ低予算ということもあって、粗が見える部分もなくはない。後ろ足で壁を這って向かってくる怪物の後ろに黒子の足のようなものが見えたり、まあそういうのはご愛嬌として受け入れらるんですが、というかそういうのも含めてカルト映画たり得ているのでしょうし。
登場する4人のセノバイトではやっぱりチャタラーが一番好き。ピンヘッドとフィメールは喋りすぎなのがちょっと受け付けないんですよね。受け付けないってほどではないにしろ、無言で迫るチャタラーのほうが怪物感あって良い。というか造形が単純に好き。どじっこなバターボール(ひどい名前だぁ)もあれはあれで好きなんですけどね。
トリビアみたいなのをガラパイアで見つけたので一応リンクをば。
ヘル・レイザーにまつわる知られざる16の秘密(ピンヘッド閲覧注意) : カラパイア