dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

トランプ、ピカソに夢中だってよ

ダレン・シャン」「モネ・ゲーム」「コラテラル」の三連続。

 

ダレン・シャン」は妙に退屈な映画でした。

原作は友人がやたらと「ホッケーのスティックで膝バーンってやると膝が飛び出るんだよ!」という前後の場面がよくわからないシーンをやたらと面白そうに語っていたことと、サンデーかなんかにコミカライズが載っていたなぁという程度の印象。ハイファンタジーで吸血鬼が出てくるということしか知らなかったのですが、90年代のダメな実写化っぽい趣だったなーと。高速移動の描写が完全に「マスク」だしねぇ。

何がダメだったんだろう、というのが自分には具体的にどうこう言えないのだけれど、なんかこう、ダサい。アクションのダサさ、フェティッシュの欠如、とか色々ある。気が利いていないんだなぁ、キャラクターの造形とか。ハリーポッターの後に続こうと思ったかは知らないけれど、焦点をダレンとスティーブに絞ってジョシュ・トランクあたりにもう一度撮らせたら面白くなるかも。原作のことは考えずにモノを言っていますが。

とはいえジョン・C・ライリー、ケン・ワタナベ、ウィレム・デフォーと地味に好きな俳優が揃っているので、そこそこ楽しめましたが。デフォーはすぐに退場するし、ライリーはライリーでアクションがへなちょこすぎたりするんですけど。

吹き替えのほうが楽しめたかもなーと、ウィキのLiLiCoの名前を見て思った。

 

モネ・ゲーム

こちらは面白かったです。「泥棒貴族」という映画のリメイクらしいのですが、こっちは見ていないのです何とも言えず。トマトの評価は芳しくないようですが、めちゃくちゃつまらないという評価ではなく割と相対的な評価とか、あとはやっぱりコーエン兄弟の名前を引き合いにしていたりするので期待値が高かったというのもありそうな気がします。一人だけ「今まで見たコメディ映画で最悪の映画」と書いている人もいましたけれど。

 

良き人には良い絵を。っていうのは建前で嫌な奴を騙して金もゲットしてついでに紳士らしさを見せて( ゚Д゚)ウマーという話です。

コリン・ファースの間抜けっぷりとか萌えますし、キャメロン・ディアスもこういうコメディには向いてる。ビンボーブロンドっぽさを出しつつも実はしたたかな一面を持っていた入りとか。あと今は亡きアラン・リックマンが楽しそうにしているので、それが観れるだけでも割と満足だったり。この人の印象というと幼馴染を寝取られた魔法使いとか寝ている幼女の歯を砕いて鼻で吸ったり、エイリアンだったりテロリストだったり天使だったり、そういうキワモノの中ではヌーディストな金持ちというのはむしろ普通すぎるきらいはありますが。

 ホテルのくだりは余すところなく面白いと思うのですが、ああいう勘違いギャグとかスラップスティックは受けないんでしょうかね。ミスターディーンはやっぱりミスタービーンを意識してるんだろうかと思ったりして、本場にはエピゴーネンに見えたりするのだろうか。

わたしは結構好きなんですがね、ああいうの。

強いて言えば、嫌な奴をだまくらかして勝利!という単純な図式がエモーションとして成立していないというか、もっと腹黒い勝利の余韻を楽しむタイプではあるのでカタルシスに欠けるというのはあるかもです。肝心のアラン・リックマンが演じる嫌な奴が嫌な奴にあんま見えないというのもありますし。まあ「狡猾なわりに頭は切れん」なんて評しているあたりとか、マーティンを信用しているのとか、ラストの展開を見ていると審美眼のないというのは事実としてあるわけで、そこが絵画を見極めるコリンには嫌な奴と映っていると考えれば納得できなくもないわけですが。

 

あと「コラテラル

マイケル・マンはこれと「HEAT」しか観ていないんですけど、今のところは結構評価が高い感じです。

印象的なのはやっぱり銃声でしょうか。開けた空間で撃ったときの反響の配慮のなさなんかはすごい耳に残りますし。

ジェイミー・フォックスというと顔からオラオラで強気なチンピラな役を想起しがちなわたしなんですけど、アメスパ2とかコレとか結構内向的なキャラクターを演じることが多いのかな。「ベイビードライバー」は見た目通りのキャラクターでしたけど。

この映画も評価が分かれているというのは意外。トム・クルーズの悪役とか良かったし、トムのせいでジェイミーが変質していく(資料受け取りの部分なんかほとんど解離してトムの人格を形成しちゃってんじゃないのと思うくらい)様子とか、ちょっと歪なバディものとして見れば全然楽しいと思うんですけどねぇ。プロ意識高そうなくせに抜けているトム・クルーズとか可愛げありませんかね。

まあでも、トムクルーズの殺し屋が超軼絶塵だと思う人はいないわけで、そんなの最初の仕事でランクB-くらいの仕事ぶりからもわかるわけで。顔がよくてカッコイイこと言ってるんだけど仕事はそんなにうまくないみたいなとこが面白い。

あと観たあとで気づいたんですけどマーク・ラファロとかステイサム出ててびっくらしました。ステイサムはともかく、「フォックス・キャッチャー」といいラファロのカメレオンぶりは凄まじいものがありますな。自分が気づかないだけかもしれませんが。

 

あと夜の色が独特だったのはHDカメラのおかげかな。どうしようもない映画だった「スーサイド・スクワッド」も夜空を撮したシーンは綺麗でしたが、アクションと夜景っていうのはやっぱり映えるのでじゃんじゃんやってほしい。

日本映画の予算じゃこういうのは観れませんからね。