dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

BSイーストウッド無双

ということでここ最近BSジャパンイーストウッドが監督した映画がずっとやっているのですが、一番見たかった「グラントリノ」が録画に失敗してやがった。BSプレミアムの方も年間を通して観ていると割とローテが決まっているということに気づき始めたりして、またレンタルループに戻るかーとかNetflixにそろそろ加入するかなーとか考え始めてはいる今日この頃。実際、レンタルも販売もしてない映画がネトフリに落ちているというのは耳にするのでいつかは入ろうと思っていたりはするんですが・・・とか、そういうどうでもいい話は置いておいてイーストウッドの「インビクタス」と「ヒアアフター」をウォッチっち。

 

BSジャパンとかじゃないと吹き替えを見る機会があまりないので、たまにこうやって吹き替えを観るとやっぱり字幕とは違うんだなーというのをしみじみ感じる。まず情感が違う。やっぱり母語の方がすんなりと感情に訴えてくるものがある。

わたくしが初めてまともに観たイーストウッド映画である「アメリカン・スナイパー」「ハドソン川の軌跡」のときにはその混乱の元がよくわからなかったイーストウッドの怜悧さといったものを「パーフェクトワールド」からのものなんじゃないかと思い始めてはいたんですが、どうにもこの人の監督する映画のキッチリカッチリした感はなんなのだろうか。企画自体はそばかす爺さんことモーガン・フリーマンイーストウッドに持ちかけたものらしいのですが、イーストウッドの手にかかれば全米が泣きそうなマンデラ感動巨編になりそうなところを、適切な場面で適切な演出でもって適切にエモーションを掻き立て適切に感動させてくる。その逸脱しない理路整然さが、逸脱したものを描く映画においてもっとも逸脱している。そんな印象を彼の映画からは毎度抱く。だから素直に感動すりゃいいのに、そのあまりに綺麗に整えられた画面にどうにも泣けないというのがわたしがイーストウッドの映画に対して受けるものなのですが、そうはいても黒人の子どもが段々と白人警官と一緒に盛り上がっていく様やSPたちの興奮などはやはり演技の巧さや演出の巧さと相まって観る者の情動を揺さぶる。

だのに、簡潔で完結なのになにかが物足りないような、ほかの映画にはないイーストウッドの映画。

ヒアアフター」もそんな感じなのですが、津波のCGがなんだかすごい。多分「ジオストーム」なんかよりも断然、映像的なスペクタクルがあるはず。いや、「ジオストーム」はまだ見てないんですけど予告編を見た感じとかで。まあ方向性が違うというのは確かにあるんですが、しかし恐ろしさという点ではやはり「ヒアアフター」の津波描写はかなりすごかったです。

あとブライス・ダラス・ハワードが可愛い。出番の多いチョイ役といったところなのですが、可愛いです。ゴリラことデイモンとキス一歩手前までいって何もしない悶々さとか、デイモンがテイスティングする側になると周囲の人間が排除されたりとか鬼武者2かと思ったり。

 

それと「シーサバイバー」っていう映画も観たんですけど・・・うーむ、こちらちょっとねぇ。「キャプテン・フィリップス」の面白みを取り去って敵と味方の友情に焦点を当てた感じ。それもそれでもっと尺割けばいいのにーと思ったり、指揮系統の丸投げっぷりが日本の企業単位でのトップダウンみたいで笑ったり、そういう楽しみ方もできなくはないんですが、あえておすすめするとかそういうことはないでせうな。90分ないのが救いでしょうか。