dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

勝新太郎×高倉健

ナマモノは危険すぎるので、やおい文化に寛容(というか肯定的ですらある)自分でもあまりそちら方面は知らないのですが「無宿」を観て高倉健のあまりに不器用な役柄に食指が動いた。

というのは冗談ですが、高倉健が輝いていた映画であることは間違いないでしょう。ウィッキーさん曰く勝新太郎高倉健が共演した唯一の映画作品とのことで、なんか意外というか。なんかアメリカンニューシネマっぽいなーなんて思ってたらロベール・アンリコっていう監督の「冒険者たち」なる映画ベースにしているらしい。アラン・ドロン主演とか、「明日に向かって撃て!」に影響を与えたとかあるし、フランス映画ではありますがアメリカンニューシネマっぽいというのはあながち間違いじゃないのでしょうな。

わたしの世代だと高倉健というと、すでに老齢ですべて白髪でパロディの対象としての印象が強く、気難しいおじいちゃんというイメージだった。だから、この映画で髪の色が真っ黒な高倉健を観てそのあやうい目つきに虚を突かれた。「この人、こんな怖い顔してたのか、と」。実際、この映画における高倉健勝新太郎よりも目立っている。役どころとしても、慕う人間を殺された仇討ちをしようとする美味しい役ではあるし。

で、そんな不器用な生き方を選ぼうとする高倉健勝新太郎が海に導いて一攫千金しようぜと持ちかけて「もう男ってバカなんだから」と言いつつ(言ってない)協力する梶芽衣子。まあ、その道中で893をコロコロしてしまっているので結末はそうなるでしょうね、というところに落ち着くわけですが。

これ観て梶芽衣子の若いときってかなり現代的な美貌だったのだと知りました。柴咲コウにも似てるし、顔が少しクシャってなったときは谷村美月っぽくもあって、この人がファムファタールやってる映画ってないのかなーと思ったり。

あと石橋蓮司が若い。千原ジュニアっぽい顔つきなのも笑えるし。

 

市川崑の「細雪」はなんというか、市川崑だった。タイポグラフィとか音楽とか演出とか。吉永小百合が若い。いや、「キューポラ~」で若い時代の吉永は知っていたし「映画女優」でもわかってはいたんですけど、この人って今のCMのイメージのおしとやかな役が繋がらないような、どちらかというと黒寄りな感じだったり活発な役がこの時期は多い気がしますな。どうでもいいけど何でウィキの画像は62年の白黒画像なんですかね。

岸恵子はこの映画ではおばはんな役なんで、やっぱり「雪国」のあっちの方が好きですかね、はい(無慈悲)。