週末観賞映画録の続き。
1.「こころに剣士を」
実話ベースの話。どこまでが実話なのか知りませんが、映画にするほどの内容でもないし、脚色に失敗しているのが素人目にもわかる。
有り体に言ってしまえば退屈、だと思います。女教師のくだりを全部削ってフェンシングの鍛錬と子どもとの交流の部分をもっと深く描けばもっと面白くなったかなーと。
フェンシングを廃止するかイナカってところの多数決のシーン。あれどう見たって便乗というか周りに合わせて手を挙げたって感じに見えちゃうでしょ。意図はわかりますよ、勇気を振り絞って、っていう表現をしたかったのでしょうが、そもそもあそこに集まった大人たちとの交流も描かれてなければ彼ら大人が子どもとやりとりをするようなシーンもありませんからあんなとこだけ見せられても困る。あと田舎だから、という理由以外に明確な廃止案の原因がないから(いや実際にそうなのかもしれませんが)この辺のふわふわした感じが「?」。いつの間にか子どもの数減ってるし。
屋外のシーンをレースゲームの三人称視点がごとく主人公の背後から映していた意図はなんだったのだろうか、とか色々疑問はありますが、単純に退屈だと思います。
肝心のフェンシングシーンもBGMでちょっと誤魔化してはいますが何か勝敗のロジックがあるわけでもなければ熱量で押し切るというわけでもなく、結局何が描きたかったのかわからないまま。
まあ、中盤から退屈になってしまってながら見していた部分もあるので、もしかしたら見落としているところがあるのかもしれませんが、個人的には退屈でした、と。
2.「ロンドンゾンビ紀行」
「ショーン・オブ・ザ・デッド」成分を多めにしてザックの「ドーン・オブ・ザ・デッド」要素をちょいちょい入れ込んだコメディゾンビ映画。
なんか風景が「ショーン~」っぽい。イギリスだしロケ地も似たような場所でやっているのかしら。
映画自体はまあ観たあとに何か残るようなわけでもないスナックな映画ですが、赤ちゃんゾンビを蹴り飛ばすところとかしっかりと笑えるシーンはあります。
で、まあ、この映画を観ていて思ったのは、ゾンビが街中で発生した場合って当然ですけど絶対に街中で話が展開するわけじゃないですか。そうすると、その土地特有の色というか背景みたいなものが立ち現れてきて、そのランドスケープの違いみたいなものが見れて面白いなーという気がした。そんなのどの映画でも同じでしょう、という気はするんですけど、ゾンビ映画はフォーマットがほとんど共通であるがゆえに背景の世界観が浮かび上がってくるんじゃないかと思うんですよね。「ワールドウォーZ」みたいにあちこち飛び回ったりするのは例外ですし、「アイアムアヒーロー」みたいに日本という設定で韓国ロケしたりもしてはいますが。
3.「サスペリア」
怖い。アートなホラー映画。悪夢を見ているような感覚になれるホラー映画。ゴブリンのBGMも相まってかなりくる。
あの異様なセットがもはや異界であり、唯一、異界の外である精神科医のシーンにむしろ違和感を覚えるくらいキレた異界感にくらくら。
ただなんていうか、「クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険」っぽいなーとか思ってしまってちょっと笑ったんですけど。
続編もあるみたいなんでそっちも見たいなーと。
まあね、今の目で見るとチープな部分もなくはないですが、本質は多分「死」の恐怖のロジックのなさにあると思うので、グロシーンとかは味付け的に見るのがよしでしょう。