dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

それじゃデッドプールただの神じゃん

f:id:optimusjazz:20180602002757j:plain

 

本当は昨日の夜に投稿するつもりだったんですが、記事の作成中にPCが落ちて一気に萎えてそのままふて寝してしまい、日をまたいでしまった。

画像は戦利品なのですが、時間と体力と金銭的な都合から「バーフバリ」に関してはパンフのみを買って本編はまだ観ていない状態だったりします。

 

ていうか「犬ヶ島」「ファントム・スレッド」の感想も出だししか書いていないのにどんどん新しい映画を観るというのもどうかとは思うんですよね。しかしほかにも「友罪」とか「狐狼の血」とか巷ではマッドマックスと呼ばれている「ピーター・ラビット」とか、ほかにも近所の映画館ではやってないのがたくさんあって時間が足りないです。お金も足りないです。

 

で、「デッドプール2」の感想なんですね。

一応、前作も劇場で一回だけ観てはいて、それなりに好きな映画ではあったわけなので今回も観に行ったんですが、なんていうかデッドプールが神様みたいでちょっと気持ち悪かったです。あと、これはすでに前作の段階で思っていたことではあるんですが、そろそろ限界じゃないかなぁ、と。

神様、というのは漫画・ラノベ・エロゲ脳な人々が考えそうな「さいきょうのきゃらくたー」といった意味ではなく、救済者としての神というかジーザス的というか、どんな人間も抱き寄せて包摂してしまうようなキャラクターになっているわけですね。もちろん、バンバン人を殺すんですが聖書でも神の殺傷率高いことは無神論者でもなんとなくわかっているところではあるわけで。

「_∧ ( ゚ω゚ ) (人類の罪の精算という意味での)支払いは任せろバリバリ」

てな感じでしょうか、今回のデッドプール。あと家族押しがすごいヴィン・ディーゼルfeatドゥウェイン・ジョンソンです。いや、大切なことなんですよ、アタッチメントのこととか考えると。しかしデッドプールにはもっと理解不能な部分を求めている自分にしてみると、今回のデッドプールというキャラクターは筋が通り過ぎていて退屈であるとも言えるのかもしれません。そもそも、一作目からして前評判に比べると「あ、意外と普通のキャラなんだな」という印象があったんですが、今回はそれにもまして人間に寄り添っている気がする。

そりゃ元々人間だしね、うん。

まずいです。カートマンという魅力的なキャラクターを先に知ってしまったわたしにしてみれば、正直デッドプールは理路整然としすぎているのかもしれない。

そう考えると、もしかするとデッドプールというキャラクターのあり方がそもそも好きじゃないのかもしれないな、と今回2を観て思った。なんというか「銀魂」的なスタンスに見えてしまうのだ。

監督は「ジョン・ウィック」のデヴィッド・リーチということでアクションシーンはやっぱり楽しいですが、「ジョン・ウィック」や「アトミック・ブロンド」ほどのケレン味は薄め。まあ基本的にはギャグだし超能力モノでもあるのでフィジカル要素なんかは減退している。あと予算が明らかに超過しているのだろうと思わせるCGの粗い部分が結構あったり(ブラック・パンサーにも散見できましたが)したかな、と。監督の統御がどこまで行き届いているのかはわかりませんが、デヴィッド・リーチはCGを全面に押し出す絵ヅラはそこまで得意ではないのかもしれない。

それでもカーチェイスシーンの閉所空間での肉弾戦やドミノのラッキー描写(ここのCGがやや粗めなのがちょっと残念)をカットを割らずに見せていたりするのは「アトミック・ブロンド」のタクシーシーン的で見ごたえはあります。ただ、デッドプールは劇中で「ラッキーは映画的に面白くない」みたいなことを前フリ的に使ってはいたのですが、実のところわたくしは「え、そうかな?」と思った。

えー「ニセコイ」で悪名高い古味直志先生の読み切り「恋の神様」でとびきり運の良い(正確には神に愛されているため万事が良い方向に向かってしまう)女の子と男の子のラブコメがありまして、そこでまあデッドプールで描写されたのと似たような派手な幸運描写があったからですね。とはいえ、ライブアクションと漫画・アニメを同列に語るのは愚劣なわけですし、純粋に見せ方として「デッドプール2」のほうが上手なわけですが、だからこそCGをもっと実写映像としての違和感なく作りこんだほうが良かったのではないかなーと思ったりした次第です。

 

なんかネガティブな感じですけど、全然普通に面白いんですよ。

しょっぱなからローガンネタで笑わせてきますし007のアバンパロとか氷の微笑とか色々笑えるところは多いですし、本編でのタイムマシン装置を使ってポストクレジットで歴史改変を行うのも(ギャグとしては)面白いですし。

前知識が必要とはいえ笑いどころはありますから、楽しめないということはない。映画ファンは。

ただ、今回の脚本はあまりに「デッドプール」であることにおんぶにだっこになりすぎているきらいもあるんですよね。一作目でデッドプールを周知させているから行けるだろうという判断なのかもしれませんが。よく言えばテンポ優先ととれますし、あくまでお笑い映画なのでそこまで脚本にツッコミを入れるのも野暮かとは思うのですが、この「野暮かと思う」と思ってしまわされる映画の構造があまり好きではない。

ただ、前作にはなかった続編ならではの魅力というのもはっきりあって、デッドプール以外のキャラクターという部分が大きい。一作目でオリジンを済ませていますからほかのキャラクターとの絡みが増えていました。

特にオッサンスキーなわたしとしてはコロッサスとケーブルがかなりツボでした。この二人のカップリングないかな、ないかしら。あんまり本編での絡みはなかったんですけど、ここにデッドプールを加えて三つ巴の絡みがあるとなおよし。

コロッサスの正義漢な割に繊細そうな部分とか、あの巨大でベッドにふて寝ポーズしているのとか可愛いですよねぇ。

それと、いい意味でケーブルの使い方が裏切られました。今回だけのキャラクターかと思っていたので。いやまあ、タイムマシンのくだりとか歴史改変による描写が80年代すぎてさすがに古いわとか色々言いたいこともなくもないんだけど、ケーブルが残ってくれたのでOKです。ケーブル自身はちょっと寂しいかもしれないけど。

反対にユキオちゃんは出番少なかったですね。ネガソニックなんちゃらちゃんの恋人という以上の役割は特になく、ほとんどマスコットキャラクター(ビジュアル的にも)な側面が強いのがちょっと物足りないかなぁと。

個人的にはあの読めない表情通りに、内面がめっちゃサイコパスなキャラクターだったりすると面白いんですけどね、ユキオちゃん。

 

あ、あとブラピはわかったんですがマット・デイモンはわからなかった。

ブラピも一瞬だからわかりづらいといえばわかりづらいんですが、それ以上にデイモンは完全にメイクしているので初見で気づく人はそうそういないんじゃないかな・・・

ラグナロクはわかったんだけど、デイモン好きとしてはちょっと悔しい。