dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

7月のまとめ

「ヌードの夜」

余貴美子がエロい。

竹中直人がエモい。

椎名桔平がヤバい。

それだけでも十分に見る価値はある。今見ると子犬の使い方とかまんますぎて笑ってしまうのですが、これはクリシェ量産してきたエピゴーネンズの罪過ですのでモーマンタイ。しかし桔平のネオンオブジェを眺めている時の恍惚とした表情とかなんなんですかね、あれ。田口トモロヲってなんでこう、キッチュな役柄ばかりやらされるのでしょうか。「その夜の侍」くらいがかなり適役というか、ともすると一番見た目から想像しやすい範囲ではあるのに。

それと、全体的に長回しが目立っていましたね。「トゥモローワールド」の後に見たのがこれだったこともあって、長回し映画的に無理くりな相対化をしてしまうのも無理からぬ話ではある、と自己弁護。

こっちの長回しは「トゥモローワールド」とは明らかに違う使い方(そもそも向こうはデジタル撮影で繋いでるし)なんですが、いわゆる臨場感を出したいとか見てはいけないものを目にしてしまったようなものの表現ではなく、もっとギミック的に使っているようにも見える。かと思いきや遠めで長々と撮っていたり。

あとヒッチコックのオマージュっぽいシーンもありましたね。全体的にダウナーな映画ですし救われない映画ではあります。ホラーぽくもある。

あとはやっぱりデジタルじゃない画面の粗さというのも、一つあると思うんですよね。マイクの音声の広い方も結構アレで椎名桔平がちょっと何言ってるかわからない部分なんかもありましたが。これって懐古なのかしら。

 

 あと、どうでもいいことですけど特殊メイクを使ったらクローネンバーグっぽいということになる直結な思考回路な人がいて面白かった。

 

 

 

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

ヤンキースが強い理由。

観ていて思ったのは「クヒオ大佐」でしょうか。まあ共通しているのが詐欺師ってところくらいで、顛末は全く異なるんですが、両方とも実話ベースというのもまた面白い。

基本、スピルバーグの映画でつまらないと思ったことがない。と、書いた直後に「BFG」の存在を思い出すのですが、あれも今見たら面白かったりするのかなぁ、とは思う。

若きプリオとトム・ハンクスの時点で、まあ自分は観れてしまうんですが、そういう役者目当てじゃなくても面白い。しかしスピルバーグは本当に父親へのコンプレックスがあるのだなぁ。

わざわざ二人の父親的存在を配置してるし。しかし、どちらも悪く描いていないのが面白いところで、最近だと「アントマン」もこんな感じの父親の描き方でしたね。ウォーケンとハンクス、二人の父親によって最終的に成功を収めるという母親不在の映画。不在、というかほとんど悪い部分しか描かれない。

「ノー」からの「イエス(喘ぎ声)」の繋ぎなんか露骨に笑いを取りに来ていますし、普通に笑って泣いていい映画ではあるんですが、メインとなるキャラクターの家族関係はやや破綻しているというか離婚していたり確執があったりするし、別にそこは見せんでもよろしいでしょうというグロシーンをわざわざ見せてきたり、やはりスピルバーグ的な異質さという黒さが散りばめられている。

 

余談ですが、クリストファー・ウォーケンジョン・ヴォイトどっちがどっちかわからなくなることがある。こっちはウォーケンでした。

 

 

「黒い家」

面白いけどちょっとくどいかなぁ。

黄色と緑の使い方やノイジーな効果音がかかったりするのは気持ち悪くていいんですけど、ラストの方だけアメリカのB級スプラッタっぽくなっているのはなぜなのか。あと主役が腹立つ。

 

 

ジェシー・ジェームズの暗殺

伝説を別の視点から眺めると、こういうことになるのだなぁ。

やるせない。やるせないのだが、やはり最後のナレーションはちょっと説明過剰な気もするのである。死してなお生き続けるジェシーを撮るのであれば、いっそのことボブが撃たれて天井からの俯瞰で終わってくれても良かった気がする。もちろん、孤独に。

叙情的な「アウトレイジ」というか、一方通行な「ディパーテッド」というか。そこに若さという思慮の欠如っぷりみたいなものが足されているような、観ていてやるせなくなってくる映画だ。

スタッフがやたら豪華でスコット兄弟が製作側にいたりディーキンスが撮影していたり、キャストが好みの人ばっかりだったりと、個人的には好きな部類にはいるのだけれど、160分は長い。

それはともかくとしても、キャスティングが良い。この役柄にケイシー・アフレックというのもまた絶妙でるし、「スリー・ビルボード」でサム・ロックウェルが演じていたあのキャラクターの片鱗がここで出ている気がする。なにげにジェレミーレナーとかデシャネル出てるし。

やっぱケイシーいいわぁ、と再確認できただけでもよし。

余談ですが、ウィキで調べたらロケット団のムサシとコジロウが向こうだとジェシー&ジェイムズらしい、というトリビアを得た。武蔵と小次郎という元ネタがあることを考えると二重に意味が・・・

 

 「ナイトクローラー

レンホール(今はジレンホール表記なんでしたっけ)は「ドニー・ダーコ」からすでに狂気をまとった役を演じていましたけど、こちらもかなりキテますね。年齢不詳な顔してるとは思っていましたけど、まだ40にも満たないというのが驚きなくらい風格が漂っています。リズ・アーメッドが誰かに似てるなぁと思いつつ見てたんですけど、あれだ、満島真之介だ。

今は亡きビル・パクストンが地味に出ていたりするんですが、そういうのはどうでもよくなるほどジレンホールのイカレっぷりが。

ずれたbgm演出なのに妙にかっこよさげだったりするのもムカつく面白さだし、まあともかくジレンホールでしょうね、これは。

 

「ソーセージ・パーティー」

これはひどい。いや、八割褒め言葉として使ってますが、字義通りの意味としてもひどいといえばひどい。まあ、「擬人化もの」としては日本の方がひどいといえばひどいんですが。

しかし吹き替えの声優にクリスティン・ウィグとかエドワード・ノートンとかジェームズ・フランコとかポール・ラッドとか、メンツが豪華なのも笑えますな。

ホモセクシャルレズビアンイスラムネタ、ヒトラーネタ、ホーキング博士ネタ・・・etc

これの監督がきかんしゃトーマスもやっているというのがまた面白い。

ラストの大乱交もひどいしなにげに首チョンパあるし、なんか色々とひどい映画でした。

 

アポカリプト

前半30分見逃した。ショック。

それでもなんとなくストーリーは追えましたが、いやはや。セリフが少ないのですが面白い映画って色々ありますけど、この映画も牽引力はパナい。

カメラグルーとかあの場面で遠目からのショットをあえて使っていたり。

ただいかんせん、メル・ギブソンの映画って普通に感想を書こうとするとなんだか言葉に詰まるんですよね・・・。いや、確かに面白いんですけお。