dadalizerの映画雑文

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ミュウツーの逆襲(恐竜)

久々に映画館で映画観てきた。最近は本当に月に1回くらいの頻度に減っていて自分でも少しもやもやしていたのですが、そういうモヤモヤを取り払ってくれる快作でございましたよ、「ジュラシックワールド 炎の王国」

 

 

ここでもまたへんてこりんな邦題を付けられてました。
原題は「Jurassic World: Fallen Kingdom」なんですが、本編を見れば「炎の王国」というサブタイがいかに的外れというか本編の一部分を切り取っただけのサブタイだったか、ということがわかる。もしかして日本の配給会社は予告編しか見せてもらえなかったのかな、と思ってしまう。

まあ、自分も予告編の映像がほとんど前半30分くらいのシーンだけだったとは驚きましたが。炎の王国は要するに島の噴火のことを指しているんでしょうけど、物語の肝はまさしく原題の「Fallen Kingdom」の部分にあるわけでして。

トレボローは今回、共同脚本にとどまっているのですが前作の不評のせいなのかどうかは不明。代わって(まあシリーズもので監督が変わるのは別に珍しいことではありませんが)監督はファン・アントニア・バヨナ。あまり名前を聞かない人ですが、トレボローよりも年上なのですね。彼の監督した「怪物はささやく」だけは一応ウォッチリストに入れてはいたんですが、タイミングを逃して見ずじまいだったのですよね。今回のジュラワーを見る限り腕はありそうです。

さて、もはや出オチのような、ある意味で安心感を覚えるような気持ちになる「字幕:戸田奈津子」の文字。

今回はあまりなっち節は出ていないような気はしますが、やはりちょいちょいおかしな部分が・・・。「you're welcome」がどうやって訳したら「ありがとう」になるんですかね。あそこはユーモア描写なわけで、恐竜を煽ってその恐竜の頭突きで檻から出してた(出してもらった)クリプラが嫌味っぽく「どういたしまして」と言うシーンなわけで、ニュアンスがだいぶ変わってしまうのですよ。

いやまあ、ここはそんな重要なシーンじゃないし別にいいんですが。

色々書きましたが、映画自体は楽しいです。泣けますし(すくなくともわたしは首長竜が粉塵に巻き込まれていくシーンと女の子がボタンを押すシーンとブルーのシーンのほとんどでウルッときた)

頭空っぽにして、といいつつさりげにクローンの(ていうか元ネタからしてそういうテーマを扱っているわけですが)問題を扱っていたりして、しかもそれがまんま「ミュウツーの逆襲」なわけで。女の子をもうちょっと掘り下げた方がこのクローン問題の哀愁は出せたような気もしますが、このバジェットの映画で上映時間のことも考えると仕方ないでしょう。それに、あの子がボタンを押すシーンがあったので個人的には大満足ですし。

で、邦題とは裏腹に炎の王国ではなくメインの舞台となるのは洋館なわけですな。洋館といっても地下に研究施設があったり展示室があったりと滅茶苦茶広いわけですが、まあ邸宅ではあるわけで密室空間と言ってもよかんべ。しかし洋館に恐竜というのも中々良いもので、ディノクライシス+バイオハザード的な楽しさがある。ゾンビだけでなく恐竜もあり、というのはなにげに発見な気もします。

随所に見られるパロとか、スピルバーグ的なグロ描写とか割と人が死ぬのとか割と多めに盛り込んでいて驚いた。スピルバーグといえばどことなく「BFG」っぽいシーンはありましたな。バヨナ監督のフィルモグラフィーから考えると子どもと一種のファンタジー路線が好きなのかな、と思ったり。

スピルバーグっぽいといえば、やたら女の子を叫ばせるのとかもそれっぽい。「宇宙戦争」のダコタん並に叫んでましたよ。

人間の王国が陥落した後の、ライオンとTレックスが対峙するするバカバカしい絵ヅラとかも最高ですし、サーファーと一緒に一作目からなにげに美味しいシーンをもらいつづけているあの海獣恐竜とかもゾッとしてよかったですよね。

 ラストのブルーが崖で街を見下ろすシーン、なんかすごく既視感があるんですけどなんだったかな。

それと、ポストクレジットのあれ。タワー的なものに翼竜的なものが合わさるとギャオスに見えてしまう幼稚なマジカルバナナ思考を突き動かすロマン。
続編が作れそうでもあるし、本作だけでもまとまってはいるので、どうあれこれは観ておくが吉。

 

この夏、子どもに戻りたい人は観るべきでせう。ていうかみんなもう観てるか。