dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

11月のおまとめを

劇場で観るのと違ってどうしてもながら見だったり睡魔に負けて微睡んでしまうときがあるので、いかんせんテレビで見るものは文章量に如実に表れてしまうのがつらい。

まあ本当に良いと思ったのは単独でエントリーしたりしますが、この辺が今後の課題かなぁ。

 

「先生を流産させる会」

バランスを撮りきれていない映画でしたな。

正直いえば気の抜けた絵面は多かったり、あまりにオーバーアクトだったりとか科白の演技演技っぽさとか、予算面以外でどうにかなりそうな部分はあるんですけど(先生が暗がりから歩いてくるときのモデルウォーク、急かす音楽なのに保護者とチャリで並走する先生を真正面から撮っていたり、「知らん!」とか)、それはそれで笑える場面になっていたりしたのでオッケーとしましょう。

あとはまあ、「先生を流産させる会」の「先生」が「センセー」とかならより反逆心を演出できそうですが、彼女らにはそこまでのユーモアはないしそれはそれで実写映画としてはクサいですし。

しかしアニメ制作会社というかゴチャゴチャしすぎな職員室(最初の場面と次に出てくる職員室っぽい場面でなんか違うのでもしかしたら職員室じゃないのかもしれませんが)や担任が理科の実験やってたり(?)、意図的ならばどこか寂れた田舎の学校とかを元ネタにしていたりするのだろうか。

ほとんど小学生的なセンスの服装とか生理描写とか、やっぱりあの主犯格の女の子だけは色物感出てますな。

女の子グループのはずなのにやってることが男子中学生ぽい感じとか、もしかすると田舎の方だとああいうことするのかもしれませんがちょっと違和感。

「女は気持ち悪い生き物なの」という科白は今なら(当時も?)確実に炎上案件ですが、まあ言いたいことはわからなくもない。というか、生物に対する気持ち悪さのようなものだろうか。

しかるに、あの主犯格の女の子はなるたるにおける須藤くんに近しいのかもしれない。や、こちらはリビドー的に還元してそうなので須藤くんと根本は違うと思いますが。

でもやっぱりあの年頃の子って妙なエロスがありますな。

それは多分、可能性を内包してそれが羽化しようとする思春期・成長期にのみ見られる一瞬の輝きの持つエロスなのだと思う。「LAW」の

いろいろなエロスがあるなぁ、と思う今日この頃。

 

「三大怪獣 地球最大の決戦」

ゴジラに関しては幼少期にVHSで結構な(少なくとも平成シリーズはほぼ制覇している)作品数を見ていたと思ったのですが、これは抜け落ちていた作品でした。

このタイミングでこれがBSで流れたのは間違いなくレジェゴジ続編とアニゴジの方の関係性なのでしょう。

しかし今見るとテンポは早く微妙に電波な脚本だったりとぶっ飛んでいて面白い。ザ・ピーナツってあんな卑俗な感じでしたっけ、と思ったり。

キングギドラが出てくるときの特撮とか今見てもかっこいい。もしかしたらレジェゴジの方でこちらのパロが出てくるやもしれませんね。

 

ロング・グッドバイ

ハードボイルド、でいいのだろうか。

観ていて面白いんですが、名前すらない端役で出てきたシュワちゃんの存在感にすべて持ってかれてしまった。

 

メリーに首ったけ

今見るとポリコレ的にまずい部分が結構あるんですが、やっぱりこの頃のキャメロンはキュートではある。最近だと嫌味なおばさんの印象がちらつくのですが。個人的にはそろそろ101のクルエラができそうな熟れ具合だと思うのですがどうでしょう。

ベン・スティラーも結構好きなんですよね、陽気なスティーブ・カレルというか、馬鹿なんだけど真面目そうなところがこの役にはぴったりだと思う。

 

 

ブロンクス物語」

デ・ニーロ監督ということですが、マフィアがメインで絡んでくる割に意外と血みどろは少ない(全くないというわけではなく)

しかしファミリー感は凄まじく伝わってくる。まあ「ゴッド・ファーザー」の印象が強すぎるというだけではあるのですが。

黒人要素というのが取り入れられていたりするし、トランプへの強い反感を表明していたりかなり真面目な人なのだろう。

あと奥さんがエロい。

 

「2010」

 一応、話としては「2001年~」の続編ではあるのですが、まああちらとは完全に別物ではある。

この2作品は「雄弁は銀、沈黙は金」という言葉がそのまま当てはまる。出来栄えである。のですが、それはあくまで相対的な評価であるわけで、じゃあ「2010」がつまらないかというと別にそんなことはない。むしろ、結構好きだったりする。

とはいえ、やはりキューブリックの方に気の抜けた画面が一つもないのに対して、ハイアムズの方にはいささか気のきかない場面がある。まあ、2010年を通り過ぎた今見れば実は違和感がなかったりするのですが、当時の目から見てなぜちらっと映る地球の場面があそこまで未来的でなく現代的なのか、というところはもうちょっとどうにかならなかったのかと。

あと話が小さくなってたりね。米ソ対立なんて2001ではほとんど出てこなかった気がしますが、こちらではまあまあなおおごととして描かれているし。そういう意味でもスケールダウンしているとは思う。

だけど宇宙での宇宙船周りの特撮はかなりいいですよね。いや、結構好きですよ、この映画。全部口で言っちゃうけども。

 

マリー・アントワネット

ソフィア・コッポラって本当にダンストが好きなのですね。

なんというか、ソフィア・コッポラ作品以外でも結構オサセな役どころが多い気がするダンストですが、今回に限って言えばそれがプラスに働いている。

あと「ビガイルド」や「ロストイントランスレーション」なんか見てても思ったんですけど、この人ズームアウトで孤独感演出したり、カメラ寄せて人物に寄り添うような演出を好むような。

 

 

「スプラッシュ」

オープニングが結構凝っていて好きなんですけど、全体としてはトム・ハンクスにイライラさせられる。

ロン・ハワードだと「バックドラフト」とかは好きなんですけど、まあまあ当たり外れのある監督のような気がする。

人魚の特殊メイクとか水中の撮影とかは結構好きなんですが、なんか出来の悪い少年漫画の読み切りラブコメを読んでいるような何とも言えない気分に・・・。

 

「マギー」

ゾンビの皮をかぶった難病もの映画。絵ヅラが恐ろしいほどにインディーな作りになっていて、なんというかシーンの一つ一つが中短編における雰囲気醸成的で、シュワちゃんの映画とは思えない静かな映画でしたね。ウィッキーさんによればこれが長編デビューらしいので、妙に納得。ていうかアイデアもよく考えたらインディー系ではあるような。

しかし出番は基本的に娘(アビゲイル・ブレスリン)の方に比重が置かれていて(まあシュワちゃんは演技派というわけではないので、シュールな格闘や爆発がないと今回のような映画では画面が持たないので仕方ないのですが)がメインです。

そのくせシュワちゃんったら存在感は異様にあるもんだから、映画そものもよりも目を引いてしまう。要するに、これはアビゲイルによるアビゲイル・シュワのシュワちゃんのための映画なのだろう。

でも、95分でもちょっと長く感じるくらいだったかなぁ。まあ「マンディ」の後というのもある気はするんですが、オチも「でしょうね」という感じだし映画としては凡作といったところかしら。いや、決して悪い映画というわけではないしアビゲイルはいい演技してくれているし、シュワちゃん特異点として観る分には全然アリかと。

 

 

「サンシャイン2057」

ダニボ。よくわからないんですが、真田がかっこいい。

この人の演出って毎回くどい気がする。

 

 

「霧の中のハリネズミ

以前、講義の中で観たのですが最後まで通して観たことはなかったので改めて見直す。

これが40年以上前の、ということを抜きにしても、というかこういうアプローチのアニメーションが少ないからなのだろうけど、すごい奇妙な手触りである。

絵本をそのまま切り貼りしているような(ような、っていうか事実手法としてはそのとおりなんだけど)。一つの手法としてこういうのもアリだよねーと思わせてくれる貴重なアニメ。まあ、手法で言ってしまえばサウスパークと同じなんですけれど、こちらのほうが枚数が多い。

あとカメラワークが結構独特で、撮影が気になる。水と、途中で出てきた大木は三次元の実物を使ってい撮っているような気がするんですけど、どうなんだろう。あの大木の立体感はちょっとドローイングとは思えないんですが。

 

 

クレオパトラ

3億ドル超えの昼ドラ。しかしさすがは古きハリウッド。結果的に回収できなかったとはいえここまで実物作るとか控えめに言って頭おかしい。

衣装とかセットとか、とりあえずそれを堪能するだけでも十分楽しい。というか、本筋のところは割と本当に昼ドラ+政治的な話ではあるので、そういうのに興味ない人はちょっと4時間超えるしきついかも。でも海戦とかも実物作ったりしててよかとね。

エリザベステイラーもエロいし。まあ肌白すぎだとは思いますが。

あとハンターハンターのメルエムの最期のやりとりは確実にクレオパトラアントニウスのシーンから引っ張ってきてますね。構図も科白もほぼそのまんまでしたよ。まあ冨樫はいろんなとこから引用するので何も珍しくはないんですけど。

 

 

白いリボン

冒頭から何か不思議な空気が漂っているな、と思っていたんですけれど、これって長回しによるものなのかしら。や、長回しといっても一つ一つのカットが比較的長いというだけで、「ラ・ラ・ランド」を筆頭とした昨今のこれみよがしな長回しという感じではなくて、すごく自然にカメラが人物を捉えているんですよね。あと、決定的な場面でカットを割らないところとか、黒沢清的というか。冒頭の落馬シーンとかいきなり掴まれますよね、意識を。

この不思議な空気感、撮影のクリスティン・ベルガーさんの手腕によるところが大きいと思います。ゼロ年代映画ですが前編白黒なのは、おそらくは時代性を意識しているのでしょう。

それにしても嫌な味のする映画です。色味のなさも相まって「ウィッチ」を思い浮かべたりもしました。大人の汚さという意味でも。

しかしあの医師ひどすぎ・・・