dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

邦画

2022/3

「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」 思っていたよりも良かった。スポーツにおける性差、というか男女の(生物学的・社会的)性差を問いつつ、本質はマイノリティに向ける視座。でなければ、アラン・カミングをあそこに配置すまいて。というか、アラン・カミン…

2021/11+12

「グリーンブック」 彼我越境の物語としては面白いし、ある種のロード―ムービー的に、まあ題材が題材だけにその背後に潜む(潜んでない)問題は根深いのだけれども、しかし割とオーソドックスなウェルメイド(?)なつくりになっているような気がする。 良い…

大虐殺と呪術

ここ一ヵ月忙しくて映画を観る暇がないにもかかわらず大作だけでもどんどん詰まっていくにつけ、これは早めに消化していかないと、と思い夜勤明けにもかかわらず2本ハシゴしてきましたよ、ええ。 というわけで「ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ」…

想定外の観客

まず、作り手がこの映画の観客として想定しているのはどのような層なのか考えてみる。重複もするだろうけれど、おおむね以下のようなものだと思われる。 1→2005年のテレビシリーズ「交響詩篇エウレカセブン」を(ほぼ)リアルタイムで観ていて、その続編やス…

攻殻機動隊2045

観てきた。 CGはそこまで気にならなかったかな。冒頭のアメリカの山の背景がちょっと「やばくね?」と思ったけんども、京都の集落とかは作りこまれてたし。トグサの顔アップのときなんかヒゲの細かさすごかったし。とはいえリギングに対してモデリングはもう…

2021/10月

「カクテル」 題材というものはなんでもいいのだろう、というのがはっきりしたところはある。 要するに、カクテル作るだけの映画でなぜここまで盛り上がるのかというと人間ドラマだからだということだ。テレビで観たのでカットされたシーンがかなりあると思…

2021/9

「ミッドナイト・スペシャル」 なんかこう…シャマランみたいなバランスというか。映像の小奇麗さはなんとなく「シグナル」っぽさもあって、この辺は世代的なセンスなのかもしれないのだけれど、なんだか妙な感じ。 とはいえアバンからタイトルがの出し方(主…

202106

「ガンダムW エンドレスワルツ特別編」 そもそもガンダムWは一部界隈のネタとしてしか知らないので話の流れはCV大塚明夫のナレでなんとなくつかむ程度という体たらく。じゃあなんで観たのか、と言われると「なんとなく」以外にないのですが。 まあ腐女子のお…

20215

「隠し剣 鬼の爪」 緒形拳はともかく、どちらかというと柔らかい空気感を持ってる役者たちの必死な演技が楽しい。 侍という矜持とかち合う鬼の爪。侍という、美しく()誇りある生き方を相対化する、ある種のカウンター。 朱に交われば赤くなる、ではありませ…

2021 4

「ハンターキラー 潜航せよ」 なんだか普通に面白いぞこれ…。 有能、有情、忠誠。臭くなく、それでいて王道な展開を堂々と撮ってみせるこの映画の真っ直ぐさは称揚して然るべきであろう。 それを下支えするのは細かい描写(潜航する際のクルーの斜め立ちなど)…

露悪とインディースピリッツが合わさり最低に見える

てなわけで「JUNK HEAD」観てきた。池袋シネマロサで観るのは初めてだったり。 この手の映画にはほぼお約束と言っていい資料の展示もあり、オニューのスマルフォイで撮影。 前のスマホがまあまあ古い機種だったというのもあるのだけれど、段違いに画質が向上…

2021 3

「黒部の太陽」 三船の役柄って三船自身の人となりみたいなめのが多分に反映されているのではなかろうか。 「心の旅」 ハリソンてこういうの出てたんだ、という印象。後半の展開を見るにもっとドロドロしたものにもできそうなものを、かなりハートフルに仕上…

てなわけでエヴァ二回目行ってきた。

とりあえずIMAXで。本当は4DXの方が席がぐりぐり動いて楽しいんじゃないかなーと思てたんですけど時間が合わずに断念。 IMAXで良かったのはやっぱり音響。特にエンドロールの宇多田の曲は両方ともすごくよかった。すでにCD買って延々とループしていたのだけ…

シンエヴァ観てきた

良かった。本当に。 ただ何というか、一抹の寂しさのようなものもあったり、あと正直なところエヴァの熱というのが全盛期ほどないがためにあまり前作までの部分とか設定とか覚えていなかったのでちょいちょいわからないところがあったというのも確か。(渚指…

2021 2

「パプリカ」 ひさびさに見返したら凄まじい傑作であることに加えてアレゴリーだらけであることを理解しますた。 夢とフィクション(映画)、その作り手あるいは担い手としての責、それらの相剋 理事長とか完全にチャールズ・エグゼビア(が潜在的に持つつダー…

2021/1

「アーヤと魔女」 特段目を見張るものがあるというわけではないのと、後半の駆け足っぷりがすごく気になる程度なのですが、個人的には「母親」ひいては母性の扱いについて色々と思うところがあって、まあこれに関しては私自身がまだ思索をめぐらせるには知識…

12/2020

「砂漠の鬼将軍」 ロンメルマジヒーロー 「天国は待ってくれる」 口説けるかどうは虫の数で決まる。金言ですな。 しかしまさかボッシュートを映画で観るとは。 「こんな夜更けにバナナかよ」 今更になって三浦春馬の死を実感してしまった。この人真面目な役…

11/2020

「スターリンの葬送狂騒曲」 いやー面白かったです。原作のグラフィックノベルは冒頭だけチラッと読んだ覚えがあるのですが、それだけだとここまで笑えるような内容だとはわからなかった。 私は自他ともに認める勉強できない劣等生なので当然ながら歴史も赤…

福島はかく語りき

「福島は語る」という映画を観た。土井敏邦というもともと中東を専門に扱う記者だった人が撮ったドキュメンタリー映画。 土井敏邦さんは記者でありながら2005年から13本の映像を撮ってきた人で、キャリアもかなりある人にもかかわらず私は全く知らなかった。…

TOKYO TELEPATH 2020 from tokyo in シブヤ

ペンタクル、リバースペンタクル、フラクタル、リバースペンタクル、リバースペンタクル、スペクトル、以下∞略・・・ この映画にフュージョンして文章書こうと思ったのですがダメでした。失敗しました。フュージョン失敗です。解除まで30分待ちます。 中編で…

2020/9

「オペラ座の怪人」 うわー今思えばシュマッカー監督の映画を観るのは初めてでしたよ。「バットマン」すらも観ていない。 んが、なんというかこの「オペラ~」だけをとってみると、そのフリークへの眼差し(とセットの感じとか)がバートンのそれと非常に似…

2020/8

「ローグアサシン」 暗殺者といえばまだNINJAだったころですか。なんかこう、いろいろと惜しい感じというか。これをむりやり「ジョン・ウィック」世界にぶちこんでリーチあたりに監督させたらもっと面白くなりそうな気がしなくもないのですが。 そこまでひど…

ばヰお映画祭

なるものに行ってきた。 映画祭と言ってもバーのような昔ながらの?極小ミニシアター(定員10名だし)で短編映画を流すという(しかも全部同一監督なので、実質は特集上映)ものだったのですが、実験映画的な趣。何の実験か。 それは端的に言って、どれだけ…

2020 7月

「クォ・ヴァディス」 この時期の叙事詩映画ってどれもこれも似たようなものに見えてしまうんですけど。 いや、かなり豪華なんで話自体はぶっちゃけ退屈でもともかく金をかけているので釘付けにはなるんですよね。これに関してはスタントにしもて危ないシー…

アウトサイダーズビュー「蟹の惑星」「坂網猟」

上映会がやっていたので行ってきました。 村上浩康監督の「蟹の惑星」と今井友樹監督「坂網漁」の二本立て。それと企画者の四方繁利の鼎談付き。 まあ監督本人が言う通り「蟹の惑星」は「東京干潟」と一緒に観たかったという気持ちもあるのですが、しかし鼎…

6月2020

「タクシー運転手 〜約束は海を越えて〜」 何で日本の配給会社ってこういうだっさい副題つけるんですかね。 それはそうとアメリカの警官が黒人を殺した問題でデモ(というかもはや暴徒ですが)が起こっているときにこの映画を流すNHKの采配のシンクロニシティ…

2020⑤月

「REBOOTED」 12分ほどの短編映画。過去のものとされるストップモーションアニメのキャラクターの悲哀と再起を描いた涙腺もの。主人公の髑髏は「タイタンの戦い」というより「アルゴ探検隊の大冒険」かしら。 手書きのアニメーションやアニマトロニクス(ジ…

2020 4月

「ローズの秘密の頁」 雰囲気は小説っぽいのに内容は少女漫画的なのが妙に笑いを誘う。 役者はみんな良かったです。女性の抑圧とアサイラムの組み合わせに「チェンジリング」を想起したり、どこも変わらないのだなぁと。 「勝利への脱出」 スタローン若い!…

2020no3月

「セイント」 すんません、ロン毛のヴァル・キルマーを直視できず・・・ずっと笑いをこらえて(こらえられてないんですけど)いて話に集中できませんでした。 シリアスな感じで作っているのもあって、そのギャップがまた面白くて。 ただあそこでヴァル・キル…

2020の2月

「オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主」 死者を見ること、それを受け入れることの断絶。 イェルチンがこの役、というのが今観ると泣けてくるというか、慰めになるというか。 「エアポート75」 あんまり派手な絵は無いのにしっかりどっしりしている。 「ナ…