dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

続・消化録

てなわけで見たものを整理

まずWOWOWの「ザ・ウォーカー

アポカリプスもの。ウォーカーなんていうからゾンビ映画かと思ったんですけど、別にそんなことはなかった。デンゼル・ワシントン主演でジョエル・シルバーが製作ということ(デンゼル・ワシントンも製作に加わっている)でそこそこ期待していたんですが、まあ可もなく不可もなくといったところでしょうか。

紀里谷和明ザック・スナイダーを足してジョエル・シルバーで割ってラノベかマイナー漫画をかけたような作品で、画面の色調とかコミックを置き換えたようなアクションとかまさにそんな感じ。

ぶっちゃけ中途半端に地に足つけたような設定にするんだったら聖書にスーパーパワーを持たせて悪魔なりモンスターなりを動員させてローファンタジー路線にすりゃもっとよかった気もしますが、絶対に予算足らなくなるだろうな、うん。公開されたものでさえ予算の都合を感じさせていましたし。

まーでも、そうしたら「サラマンダー」になってしまうか。あれは2002年の作品にしてはCGも頑張ってたし結構好印象ではあったっけ。チャンベールとかマコノヒーとか大物も出てたり意外と侮れない。

いや、バカ映画なんですけどその「バカさ」によっかかって開き直るようなことはせずしっかりと画面は作りこんでくれているので見ごたえはありますからね。

といっても、なんの変哲もない現代の街の地下からサラマンダー復活→人類数十億単位で死亡。という、舞台を作るための理由はバカバカしいにもほどがあるのですが。

なんか「サラマンダー」の話になってしまった。

まあ2千万ドルも制作費が「サラマンダー」より上ならもうちょいがんばれただろう、と。

 

「ウォールフラワー」

ウォーカーの流れで地上波をまわしたらフジテレビの「ミッドナイトアートシアター」なる番組枠でやっていたのでそのまま観賞。次回の放送が12月ということから、おそらくは月一の枠なのだろう。

どういう映画かまったく知らなかったのですが、エマ・ワトソンエズラ・ミラー(たぶんジャスティスリーグの公開に合わせたんだろう)が出ていたのでとりあえず観ることに。開始10分以上が過ぎていたのですが、まあ話を追っていくことはできたのでセーフ(何がだ)。

エズラ・ミラーは意外とやんちゃらしく、バロウズみたいな思想を持っていたりクィアを肯定(それ自体はともかく、「当事者の時代」における日本人的な思想に裏打ちされていそうなのが・・・)していたりと割とダークな部分がある。だからファンタビであの役だったんでしょうが、その美貌(個人的にはイケメンだとは思いませんが、星野源に系統は似ているやも。)ハガレンコスプレや自費で日本滞在を引き伸ばしたりということから日本人ファンを容易く懐柔してしまった。

マリファナ関連の発言はまあ、映画の役に入り込んだからといえなくもないかもしれないけど。

あとエマってどの映画でもやたらと胸元が空いてるシャツばかりな気がするんですけど。

そんなエズラエマ・ワトソンが義兄妹役ということで、エロ同人ばっかり読んでいたり深夜アニメばかりみている不逞之輩は変なことを考えそうな設定ですが、どっこい本作の主人公はローガン・ラーマン演じるチャーリーという冴えない影のある少年が主人公なのですな。ローガン・ラーマンはホントにまったく知らなかったんでウィキってみてもやっぱり知ってる作品はなかった。

けど、役柄には結構ハマっていました。

内容としてはまあ、チャーリーの背負ったトラウマを義兄妹とその仲間との青春を通じて超克するって感じです。原作小説を書いた原作者が監督ってことで、どんな感じかなぁと思って観ていましたが、まあ所々好きなカットはあったけどそこまで胸にくるようなものではなかったかな。

よく言えばテンポが良くて、悪く言えば端折りすぎ。「映画監督でもある」小説家ということですが、「ザ・サークル」と同じでどうもメディアの置換に際して最適解を選んでしまったがゆえに佳作になってしまっているような。

103分だし。

エズラがゲイ役だったりとか、まあいろいろ見所はありますが。

 

で、イーストウッドは「ミスティック・リバー」「ミリオンダラー・ベイビー」。

両方とも130分という二時間超えの作品なのですが放送枠は115分でcmが15分以上あるので実質100分あるかないかというところ。だとすると130分前後の映画の30分以上も本編がカットされているということなので、やはりBSプレミアムは偉大なり。

それでも両方とも普通に楽しめましたが、相変わらず教科書的な話の運び方や撮り方をするというか。

ミスティックリバーは大学の授業の中でイマジナリーラインがどういうものか、ということの参考資料として見せられたのは覚えていたんですが、全編は見たことがなかったのでこんな感じだったとは思わなんだ。

すべてを計算した上で淀みなく感情移入させ淀みなく泣かせ淀みなく映画に没入させる。ミスティックリバーで言えば敵という敵はおらず、すべてを過去の因果に集約させることに力動が働いているために真犯人の処理の仕方が実に簡素で作法的な気がするし、ミリオンダラーベイビーの方ではむしろ敵を明確にしていたり。

なんていうかこう、映画の生理のようなものを掌握していてあとはそれを道筋立てて整理しているというのがイーストウッドの作品に関して毎回感じるものなのですが、今回もそんな感じで泣けそうで泣けないんだけど、実はそのボーダーを部分的に壊しているんじゃないかなぁと思ったり。

 

どうでもいいんですけど、すごいちょい役にマイケル・ペーニャアンソニー・マッキーがいた。ペーニャにいたってはセリフすらなかった(カットされたのかもしれないけど)り、アンソニーMCUでファルコンやっているとは思えない弱い者いじめするようなボクサーだったり、どうでもいい部分に目がいったりもした。