dadalizerの映画雑文

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不可能任務:降灰と太洋の八

「ミッション・インポッシブル:フォールアウト」と「オーシャンズ8」観てきましたよ。

「ミッション~」はなんかすごい映画でしたな。

ともかくずっと動きっぱなしで展開に次ぐ展開なので息付く暇がない。

イーサン=トムが車で走る・バイクで走る・足で走る・ヘリで走る。話に何か深みがあるとか、そういうことを考えさせる暇はない。そもそも考えさせようともしていないわけですが。純粋な運動でのみ魅せる、ただそれだけ。

やたら組織の用語とか出てきたしますが、はっきり言ってこれは「シン・ゴジラ」における情報量で畳み掛けて理解させる気はないだけの台詞と言っても過言ではない。だって、別にちゃんと理解してなくても観ていればなんとなくわかりますからね。スパイ映画とは言いつつも、地に足のついた現実的なスパイ映画ではなくむしろアクション映画なわけで、まあそのへんの細かい部分はどうでもいいのです。というか、アクションを追っていればなんとなくわかる程度の作りになっているんです。

ちなみに、言われるほど脚本がひどいとは思いませんでしたよ。なんかごちゃごちゃしているな、とは思いましたが。でもむしろ、これまでのシリーズ(特に2)を拾い上げて生かしているあたりとかはこれまで以上に凝っていると言ってもいいと思いますよ。

元妻のこととか仲間の見せ場がかなり増えたりとか、まあそういう部分もさることながら縦のアクションシーンとかここらへんもブラッシュアップされていて楽しいですし。フランスの街並みを走るところは「ランデブー」っぽいな、と思ったらインタビューでしっかり答えてましたね。

 とはいえ、比重としてはアクションを見せるためのアクションがいつも以上に多いので、テンポはいいのに長く感じる部分もなくはないかな。

次あたり本当に死ぬ気がしますが、どこまで行くんでしょうかトム・クルーズは。

 

で、「オーシャンズ8」。

 えー私「オーシャンズ」シリーズはちゃんと観たことがないので、これまでのシリーズと絡めた話はほとんどできません。ただ、ジョージ・クルーニーが出てたとかマット・デイモンが出てたとか(本作でカメオしてたもののセクハラ騒動で全カットになったとか)、それくらいしかわからないんですよね。もっとも、サンドラブロックの「兄貴云々」の話あたりくらいしか明確な繋がりを感じさせる箇所はないので、別に気にする必要もないとは思います。まあ、ラストカットの余韻とかを味わうには、ちゃんと「オーシャンズ」シリーズを観ていたほうがいいかもですが。

これまでのシリーズで監督を務めていたソダーバーグは今回製作に回り、代わって監督・脚本を務めたのはゲイリー・ロス。バトンタッチするのが新人ではなくソダーバーブよりもキャリアの長い監督というのが妙ですが、それゆえ、というのもあるのか「オーシャンズってこんな感じでしょう」という「オーシャンズ」をそのまま出されたよな気がします。というか、こういう種類の映画って大きくフォーマットを崩すのって難しいので、どれも似たりよったりになりがちな気もするといえば気もする。

しかしまあ、実のところこのシリーズってキャラ萌えがメインであると思うのですよね。だって、実際に計画を実行してからの「実は~」とか「それどうやって入手したんだい」というような緻密な計画のディティールを楽しむには、このシリーズはあまりにおざなりすぎますからね。

そういう意味では昨今のキャラ萌えの潮流に合致しているとも言えますし、キャストもそういう路線を狙ったんじゃないかなーと思う。

しかしトム・クルーズ(56)にも驚かされましたけどサンドラ・ブロック(54)も大概おかしいですね。せいぜい40代かと思っていましたけど、よく考えたら「スピード」でキアヌの相方やってたわけですし、キアヌと同年代と考えれば50いっててもおかしくはないわけですものね。というかキアヌもそうですが最近の50代どうなってるんですかね。

ラジー賞での一件でユーモアセンスを見せつけたかと思えば災害地域へのミリオンダラー寄付したりと人格者な面を見せるサンドラが一応は主演ということなのでしょうが、ほかのキャラクターもそれなりに目立った役割を持たされてはいます。

ただ、意外なことにケイト・ウィンスレットが今回はそこまで目立っていなかったんですな。いや、衣装の面ではかなり衣替えしてくれてパンツ姿とか凛とした強さを感じさせる魅力的なキャラクターだったんですが、いかんせん黄色人種の私には同じ系統のサンドラと一緒に映るとごっちゃになるので相殺されてしまうというか。作戦実行時なんて両者の髪色が両方とも金髪になりますしね。

むしろ、ミンディ・カリングやリアーナ、オークワフィナ、ヘレナ・ボナムカーターの方が印象に残っていたかな。彼女らは現場での実働部隊だったり天才ハッカー(幼い妹持ち)とかだったりするので、一応ボスっぽい立ち位置だけでやってることは嘔吐剤を仕込むことくらいだったりするケイト・ブランシェットよりも印象が強いんですよね。ヘレナはまあ、あの顔面とか演技の異質さで即脳に焼き付きますし。

アン・ハサウェイも今回は割と汚いキャラのおかげでキャラ立ちしていましたし、ドレスアップ多めだったり最終的に落ち着く立ち位置なんかを考えると一番美味しい役どころのような気もします。

個人的にはもっとチーム全体で仲良くしてるシーンがあってもよかったかな、とは思いますがチーム強奪モノはそれだけで観ていて楽しいものではあるので、そこに魅力的なキャスティングがなされているだけで十分観れるかな、と。

 

あとちょっときになったことが。なんか中盤あたりでサンドラ・ブロックケイト・ブランシェットが海辺(?)でちょっと強めの語調で話し合ってるときのカメラワークだけ妙に手ブレでバストショットを強調するなーと思ったんですが、あそこだけなんか別の映画観てるみたいでしたよ。撮影のアイジル・ブリルドさんはあまり情報が出てこないんですが、ニューフェイスなのかな。

 

ていうかミンディ・カリングの吹き替え釘宮さんなのね。洋画では珍しいですが、この日本語吹き替えキャスティングからも割とキャラ萌え路線というのは当たっているのでは。シュワちゃんの映画が往々にしてそうであるように、これも吹き替えの方が楽しめるタイプの映画かもです。自分は字幕だったのですが、吹き替えの方が良い可能性もありけり。