dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

2月に観た

 

ドリームハウス

どことなくシャマラン風味な気がするのは私だけでしょうか。

冒頭20分くらいでほぼほぼ重要な仕掛けが読めてしまう展開かと思いきや、その仕掛けが中盤であっさり開示されてしまうので、この先どうなるのかと思っていたんですが・・・。

アザーズ」+「シックス・センス」を「サイン」で割ったような感じ、といえばわかりやすいかも。「サイン」で割る、というのは要するに「あ、それマジだったの?」というタイプのアレ。

ダニエル・クレイグの髪の毛が意外とサラサラしていて驚いた。

 

交響詩エウレカ ハイエボリューション1」

えーオリジナルは観たことなくてですね、なぜかAOだけは全部観たという極めて不健全な観賞をしたのでいまいち内容はわからないんですが、板野サーカスは有名なのでその辺は知っております。

一応、リブートという位置づけではあるこの映画ですがオリジナル版を知らないと正直よくわからないというのが本音です。

タイポグラフィーのあの情報量とか表示の仕方なんかは割と好きですけど、おそらく冒頭以外はほとんどがテレビ版の再編集なのでしょう。確か公開当時はそれが結構不評だった気が。

エウレカと主人公のおじいさん?ぽい人が無重力空間で壁に着地するとこのアニメーションとか、引きですが意外としっかり描いていて良かったです。

あと音楽もまあまあ好きだけど、あんま印象に残らないというかBGMというよりはSEに近い感覚だからかしら。

 

「バラバ」

この時代の美術とかセットって異様に豪奢でびっくりしますな、毎度のことながら。

正直なところ話自体は悪人を使ったキリスト教的な救いを描いているというわけで、そういう意味では前半の前半でバラバが疑心暗鬼になって一種パラノイア的になっていくのは好きなんですけどね。最終的に神に収斂されていくので、まあ予定調和すぎてね。

ともかくセットですよね。屋内もそうですが労役場とかしゅごい。

 

 「裏窓」

 この映画を前編通して観たの初めてだったんですけど、星新一の「殺し屋ですのよ」ってこの映画に出てくるステラの科白からそのまま持ってきてたんですね。丸パクリでビビりました。

さて、映画そのものに関して言えば変態・天才・性暴力加害者と様々な一面を持つヒッチコックの映画でありますので言うまでもなく面白いんですけど、いやぁやっぱり歪んでるなぁこの人。歪んでるというか女性蔑視が過ぎるというか。

ていうかあの流れで最後までその真犯人がいないで突き抜けそのままハッピーエンドを迎えるというのは今だとちょっと無理な気もする。いろんな意味で。いやほんと、オチを知らずに見たら主人公のパラノイア映画としていけますよ。ていうか世にも奇妙な物語とかでなかったかしら、こういうの。

キャラクターの関係性や説明を冒頭の描写一発で見せる手腕はさすが。主人公がカメラマンであること、あるいは恋人のリザとの経緯を連想させる巧みさ等々。まあこれ見よがしすぎるかもしれませんが、あれくらいはっきりしていた方がわかりやすいですしね。あとセットが豪華。すごくないですか、あれ。

ちなみに吹替で観たんですけど、やっぱり大川さんは良い声している。いい声すぎてちょっとあのサスペンスの犯人としてはやりすぎな気もしますが。

 

「クロノス」

 最初なんの情報もなしに観ていて、なんだかデルトロが撮りそうな映画だなぁロン・パールマン出てるし、なんて思ってたら本当にデルトロだった。

色彩感覚や美術・セットのセンスなんかはこの後の「ミミック」とかなり地続きな気がします。なんだかこう、絶妙にB級な風味もあるんだけどガジェットというか、アイテムの作りこみなんかがしっかりしているあたりとかね。フリークスの悲哀的な側面なんかは「シェイプ~」にもありますし、鼻を折られるくだりなんかのユーモアセンスなんかも垣間見られる。

アウロラ役のタマラ・サナスちゃんが可愛い。どことなく中性的な雰囲気があって。2006年にアートディレクタ―をやっていたりする以降はフィルモグラフィーに記述がないのがちょっと残念。

 

八甲田山

BSフジで観たんですが、なぜか創価学会が提供だったんですけどどういうことだったんでしょうかね。

禿とか春日さんがなんかでプッシュしていたので観てみたんですけど、よく第二次大戦の日本軍の無能っぷりが話題になる、その前兆というか前振りみたいな映画でしたな。

前も使った気がしますが「頭が無能だと苦労するのは我々手足なのだ」とバキさんもおっしゃっている通りでございます。

行き過ぎた虚栄心をあのような極限状態・極寒の環境下でも誇示しなければならなくなる権力という力の持つ魔なのでしょうか。などと、政権を観ていると思いますな。

個人的な掘り出し物は神田を演じる北大路欣也がどちゃくそカッコイイということです。あの憮然とした態度、声、ルックス。あれはちょっと惚れてもおかしくないんじゃないかしら。

 

アポロ13

たぶん、ロバート・ゼメキスがまじめにとったら(?)こんな感じになるんじゃないかなぁ、っていう映画。

「スペース・カウボーイ」が俳優だけで脳汁ブッシャ―だったんですけど、ミーハーな私はベーコンとハンクス、それにエド・ハリスやらビル・パクストンが出てるだけでもう十分。話自体はまあ、ストレートなので。

 

「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」

アンビリーバボー劇場版。

 

 「悪魔の追跡」

すさまじく午後ロー臭のする映画。ピーター・フォンダが出ているB級映画なんですが、比較的最近に「マンディ」を観たせいで色々とダブる。

バッドエンドだったりするあたりが実にB級感が出ていてよろしい。まあオチに持っていくのが雑というか、バッドエンドを際立たせるための一安心がちょっと短絡的すぎるんですけど、90分以内にまとめてくれているのでOK。むしろこういう映画で無駄に長ったらしくやられても困るし。

 

「Mr.タスク」

トレーラーで前から気になっていたのですが、それから2年ほど経ってようやく観ました。とてもB級感があふれるB級スピリットな映画で、会話のシーンが長いこと長いこと。しかしこの監督、「ドグマ」の監督だったんですね。どことなく着ぐるみへの手触りの愛着というか、おバカなんだけど哀愁のあるキャラクターとか、おバカなりに思考を巡らせるというか批評的精神を含んでいる部分なんか、今思うと共通している部分がありますね。

あとビッグバジェットではないけれどちょいちょい大物俳優を起用しているのも、地味に戦略性を感じたりする。今回だとデップ親子とかね。親父の方は親ばかスピリットだったりするのだろうか。

あとハーレイ・ジョエル・オスメントを久しぶりに観た。

 

 

「コンビニ・ウォーズ コンビニJK VS ミニナチ軍団」

 えー親ばか映画なんですが、正直こういうノリの映画は実は嫌いじゃないんですよね。ウィル・スミスの「ベスト・キッド」みたいな主張の仕方はちょっとアレではあるんですが、ここまで潔くやってくれると結構清々しい。

いや、邦画だと色々とクッションがないからとか、色々あると思うんですが、ほぼアイドル映画じみたこの映画の低俗さというか、制作陣が楽しんでいる(であろう)映画を観るというのがほっこりする。

あと今回はオタク的な小ネタが多かったり、監督の主張みたいなものが垣間見えたりする。あと再利用なのかわからないけどまた着ぐるみを作ってきてくれるあたり趣味が前回である。JK二人のバットマン物まね・デップの突っ込み、アダム・ウェストへの言及、ケヴィン・コンロイ(アニメ版バットマンの声優)を起用するなどなど。

あとMrタスクの方の出演陣が別の役で出ていたりするのもありがたみを感じる。

 

 

ヤング≒アダルト

ジェイソン・ライトマンって意外と若いのですね。

それにしてもアバンから過去のリピートの演出とか、細かな部分にも表れている。

いや、傑作であると思う。マットの妹への捨て台詞(あれは捨て台詞でしょう)とか、いや普通に主人公が屑であるわけなんですが、周囲の連中もあれなんですが。

しかしパーティでの発散は見ていられない。ああいうのきついんですよね。でもあそこでの彼女の過去を知ると、赤ちゃんの画像を印刷したところであの雑な印刷にもすごい意味を見出したくなる。

我々の日常と地続きの痛々しい傑作。

あと「アクアマン」観たばかりだったのでパトリック・ウィルソンに目がいった。この人ちょっとクリス・プラットに似てる気がするんですが。いや、輪郭とかは違うんですけど。

 

第十七捕虜収容所

名前からは想像しにくいながらコメディ色が強い、ビリー・ワイルダー監督の映画。

53年の時点でヒトラーはすでにいじってもいい対象だったんだなぁと。

でもたぶん、必要以上に笑わせようとしているんだろうなぁ。どんな時でも笑って見せる、絶望に屈しないために。そういう「がんばり」みたいなものがあるから逆に悲壮感が漂ってもいるのかもしれない。しかし妻からの手紙のくだりとか、普通に笑ってしまうのが困る。