JJ製作、『ガンズ&ゴールド』(未見)のジュリアス・エイヴァリー、『ハンガーゲーム』や『キャプテン・フィリップス』のビリー・レイと『レヴェナント:蘇りし者』のマーク・L・スミスが脚本の「オーヴァーロード」っちゅー映画を試写会で観てきました。
私の場合、特に映画のジャンルとかは選ばずにただで応募できる試写会には作品を確認せず応募して当選して都合が合えば観に行くというスタンスを取っているので、直前までほとんど本作の情報を仕入れてなかったんですね。
で、いざ観始めたらびっくり。
これ、スペース汐留のスクリーンが割と大きめだったり、音響が整ってるからというのもあるのでしょうが、心臓に悪い人が観たらちょっと危ない気がするんですけど、その辺は抽選の際に考慮してるのだろうか。いや、そもそもそういう持病がある人は応募しない(・・・のか?)。
まさかのグロホラー(スプラッターってほどではないかも)でちょっと面食らった。
いやね、やけに女性のしかも十代の観客が多くてびっくりしたんですけど、明らかにターゲット層が違うのでは。そういえば日曜なのに制服着てたJK(本作R15なのでJCはあり得ないはず)のカップルがいましたし、駅でもちょいちょい制服の人がいましたが、今日も学校あるんだろうか。部活にせよそうでないにせよ、大変だなぁ。
上映後のトークショーは時間の都合でなくなった。残念。
以下あらすじ
1944年6月、ヨーロッパを圧政するドイツを駆逐するため、連合国遠征軍によるノルマンディー上陸作戦が開始された直後、第101空挺師団は、ある重要な密命を帯びていた。彼らの任務はドイツ占領下のフランス・シエルブランという村に降り、連合軍の通信を妨害している教会の電波塔を破壊することにあったのだ。だが戦闘機は敵兵からの激しい攻撃をくらい、兵士たちは敵の領土へと散り散りに落下していった—。
地上に降り立った師団のひとり、エド・ボイス二等兵(ジョヴァン・アデポ)と、
作戦の指揮をとるフォード伍長(ワイアット・ラッセル)たちは森でクロエ(マティルド・オリヴィエ)という名の女性と遭遇する。彼女は、ナチスの科学者が“研究”と称し、村の住民たちを教会に送り込んでいるのだ、と言う。
タイムリミットまで、残された時間はわずかしかない。教会の内側から塔を破壊するため、ナチスの目をそらし、フォードとボイス、そしてクロエは基地へと進入する。しかし、そこで彼らの前に立ちはだかったのは、今まで見たこともない敵だった。
ナチスってほとんど絶対悪ですね、もう。
なんていうか、冒頭の「プライベート・ライアン」の空中版をやりたかったんでしょう?感とかB級映画をビッグバジェットでやっている感じといい、エピゴーネンとまではいいませんがスピルバーグっぽい部分が。メインであろうグロ要素も、あそこまで露骨に露悪ではないにせよスピルバーグリスペクトなのかもしれませぬが。
脱出の長回しとか、JJらしく流行りに敏感というかファッショナブルというか。
それでも抑えるところはしっかり押さえていて、アナモフィックレンズでの撮影や地下のライティングなどは結構いい感じ。
ただまあ、この映画の前後に別の映画を観ていてその印象が未だに強烈に残っているというのがあったりで、純粋に観れてはいないのはある。
展開としては「武器人間」が近い。あれをゾンビにした感じ。それと「トロピックサンダー」のような勢いで仲間が死んでいくのはほぼギャグなんですけど、音とドッキリ感覚で驚かしにくるので、若い女性の観客はしょっちゅう驚いていました。
ただ、意外なタイミングでくるとかそういうことではなく、むしろ予想できるタイミングで身構えていてもどうしても生理的な反応としてびっくりしてしまう。
しかしこういう映画の割には脚本が意外と破綻していない。いや、細かい部分ではもうちょいどうにかならんですか、という部分はなくもないんですけど、納得できない形ではないというくらいには。
何気に伏線や布石みたいなものも組み込まれているんですけど、いかんせん驚かせにかかりすぎてちょっと疲弊するんですよね、こっちが。
まあウェルメイドを気取らないその無邪気さみたいなものはこの映画にとってプラスにこそ作用すれマイナスには作用しないんですけど、それにしたってグロ・ゴアをやりすぎなきらいはある。
そのやりすぎ感はちょっと深作の「バトルロワイヤル」っぽくもあったり。一応R15ですけどグロ耐性がない人はちょっときついかも。
いやーな痛い表現が多いので。
でもまあ、B級映画が好きな人にとってはかなりいい具合に楽しめるとは思う。
ところでジュリアス監督、「フラッシュ・ゴードン」のリメイクの監督もするとか。ゴードンのリメイクという発想自体が結構驚きなんですが、どうなんでしょうかね。