dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

毛根抜刀

久しぶりに劇場で映画を観る。緊急事態宣言がどうこう、というのはまあ正直そこまで自分には関係がないのですが、この一年で映画を観るモチベーションが著しく下がっていることは否めない。

なので映画鑑賞のリハビリに、と思い今回は軽め?の映画をチョイスすることにしたのですが・・・よく考えたら「モータルコンバット」って名前はよく聞くけど原作ゲームについてはまったく知らないんですよね。いや、フェイタリティは知ってますけど、逆に言えばそれ以外は知らない。

まあ真田広之のアクションが観れるというだけで足を運ぶには十分な理由なんですけれども。

 

とはいえ、純粋なアクションは別に目を見張るものはない感じで、「ジョン・ウィック」以後のフィジカルアクションとしては凡である。しかして、この映画は純粋なフィジカルアクションで見せる映画ではないわけで、だからこそ面白い場面は結構あったりする。

割と真正のバカ映画ではあるし、お話はもうひどいもんで、いくら格ゲー原作とはいえもうちょっとどうにかなっただろうと思わなくもないし、展開は非常に巻いているにもかかわらず冗長という惨憺たる話運びで中盤は正直眠くなった。このゲーム脳っぷりはポール・ダメな方・アンダーソンもかくや(そうえいばモンハン観てないや)というありさま。

まあ製作にジェームズ・ワンがいるし、アクアマンで見せた「太平洋のどこか」というアホ丸出しのテロップは健在「魔界(!)」という臆面もない使い方といい、所々にホラー演出あったりと、彼が関わっているのが納得の映画。その魔界も日が暮れた採石場みたいにしか見えない場所を大写ししてみたり(思い返してみると「インターステラー」とか「プロメテウス」がいかに卓抜しているのかと思い知らされる)、まあそういう意味で決して上品でもなければ高級な絵面があるというわけでもない。

 

が、しかし好きか嫌いか是か非かでいえばこの映画は好きだし是である言いたい。

というのもまずこの映画にはこの手のバジェットの映画ではあまり見られないアジアンハンサムが終始画面を占めているからだ。

まずルイス・タン。ベネディクト・カンバーバッチがアジア人だったら、というようなイケメンなうえに腕の太さ!特殊能力が黄土色の肉襦袢を着させられるというハズレ能力でありながらも顔は覆われることがないアメコミヒーローテイストなので、みなさん安心してルイスのご尊顔を拝め続けることができます。ありがたや。

おかげで敵キャラはワープして背後を取ったにも関わらず頭ではなく背中を狙うというイージー仕様でございます。日本の美少女キャラクターの纏う鎧並みに急所をさらしていても問題ない安全仕様になっております。

あとルディ・リンね。甘いマスクに細マッチョの肉体美の美しさ!「パワーレンジャー」でブラックを演じていたときのアウトローな短髪路線も垂涎ものなんですけど、こっちの義を重んじる長髪もしゃもしゃタイプもなかなかどうして捨てがたい。

日本からは真田広之浅野忠信が出ているし、ほかの映画のようにチョイ役ではなくMCUの両者の使い方にはがっかりだよ!)がっつり出まくっておいしい役どころをもらっているのでナショナリストにもオススメだゾ!

しかし浅野忠信が雷神・ライデンなのは絶対に「マイティ・ソー」繋がりの楽屋オチでしょ。え?そうなんだろ製作スタッフ?わざわざ目を光らせるクリシェ演出もそういう意図をもってやったんだろ?え?

 

あとはアクションシーンに関して、これは原作を知らないのでどこまで映画オリジナルなのかわからないのですけれど純粋に「おお!」となるシーンが二つあって、それはどっちもビ・ハンことサブ・ゼロの氷結能力を行使するシーン。

一つはジャックスからのほぼゼロ距離射撃を弾丸とその射出の勢いごと凍らせて眼前で弾丸を止めてしまうところ。もう一つはハンゾウことスコーピオンの戦闘において刃物で彼をぶっ刺して、そこから出血した血を即座に凍らせて刃物にするところ。

この辺は割と本気で関心しました。いやまあ、そんなことができるなら近距離で人体凍らせちゃえよという話なのですが。

 

話運びについては先に述べた通りなんですが、後半は怒涛の勢いで「モータルコンバット」の代名詞がお披露目されたりツッコミを追いつかない勢いでもっていってくれるので楽しめました。神は干渉できないとかいってるけど相手を自由にワープさせられる時点で匙加減もいいところだろ!とか最初の奇襲もときもお前ら一対一でやって押されてたじゃねーか!とか、まあそういう細かいことはどうでもよくて、面白死亡シーンとして観れば全然楽しいです。

グロいっちゃグロいですけど、まあはっきり言って完全にギャグの領域のグロさなので気持ち悪さよりも先に笑いがくるタイプですし。「ハッピーツリーフレンズ」の方がよっぽど嫌なグロさですし。

敵のボスに「My beauty」とか言われて登場した奴が見せ場もなく縦一閃されたときはマスクの下でげらげら笑いました。

 

と、ここまで書いて思ったのは、この映画の理想とする系統って「ファイナルディスティネーション」シリーズなんじゃないかと思ったりする。

あれもいっちゃえば今のSNS・動画サービス形式を先取りした「面白死亡シーン集」みたいなものですし。

 

イケメンも観れて笑えて元気になれる(?)おバカな映画として結構良いと思います、これ。