dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

ケープフィアーと超高層プロフェッショナル

を、観た。いや別に何か共通点があるとかそういうわけじゃなくて、単純に同じ日に二つ見たというだけなのですが。

 ケープフィアーは午後ローでやっていたのですが、まさかスコセッシの映画を午後ローでやるとは思わなかった。あの人の作品はディパーテッドとか沈黙とかもそうだけど凄い「何か」に取り憑かれた人の話が出てくる気がする。確か元々は牧師だったか神父だったか(かなり違う)になろうとしてた敬虔なクリスチャンだったらしいから、それがやっぱり作品に反映されているんでしょうね。しかしデ・ニーロ怖すぎ。レナードの朝をつい最近観たばかりだったのでその演技力の高さに驚いたばかりだったのですが、このマックス(役名)デ・ニーロはアンタッチャブルのデ・ニーロよりも怖いです。あと色々と面白いカットが色々あった気がします。マックスと弁護士(名前忘れた)との二回目の接触のときのカメラワークだとか、マックスの声を入れたまま次のカットにいったりだとか、あとは色の反転を多用していました。しかしこの映画と観ていると「正しさ」ってなんだろうかと考えさせられます。マックスの体に入った刺青の一つに「真実」と「正義」と天秤にかけた刺青があるのですが、この作品はまさにそこんところを軸にマックスと弁護士をお互いに相対化させるように配置しています。たしかにマックスは犯罪者で刑を受けましたが、「真実」に照らし合わせると過剰な刑罰であり、弁護士は自らの「正義」によって強姦という罪を犯したマックスを陥れました。さて、いくら公共のためとはいえ「真実」を捻じ曲げてまで「正義」を振りかざしてもいいのかどうか。カトリック的には「強姦」と「偽証」は同じく重大な罪であるわけなんですよね(同列かどうかはともかく)。それを考えると弁護士が生きているってことはやっぱマックスも生きてるのかなぁ。あとは娘の役回りがちょっと気になった。

午後ローだからかなーりカットされているので、ちゃんとしたバージョンを観たいかも。

 

超高層プロフェッショナルの方は、なんか普通に楽しかった。七人の侍のフォーマットを建築現場に持ち込んだらどうなるか、みたいな。実際、空撮とか鉄骨から眼下を撮したショットとかあったから、時代を考えるとかなりヤバイことしてたんじゃないかな、この映画。実際、クレジットでJ.A.バクナスというスタントマンが本作の撮影中にスタントに失敗して亡くなった旨の言葉がありますから。

 で、そもそも建築の映画ってあまりないと思うんですけど、それをさらに七人の侍形式でやるっていうのが新鮮で面白かったです。ていうか、仲間を集めて何かに立ち向かうっていうフォーマットって実はかなりワクワクするフレームワークなのですよね。ガーディアンズしかり。ただ、それが失敗するとスーサイドスクワッドみたいにモッサリッシュな映画になってしまうわけですね。七人の侍があれだけの上映時間でスースクと違って興味を持続できたのはやっぱり監督の手腕なのでしょうかね。

 この映画、わりとあっさりと、しかもなんのドラマもなく人が死にます。当然ですよね、あんな高いところで命綱なしで仕事してれば。そういった身近な恐怖と高所の恐怖っていうのは、やっぱりライブアクションならではだと思います。あと普通にビーチク出ててびっくりした。