dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

ロクレンジャイ!と公的制裁者たち/大詰め

「シャザム」を観た翌日に「エンドゲーム」という流れ。

 

「シャザム」

こういうサクッと観れてそれなりの満足感を得られる映画で良いのだとようやくDCは気づいたようです。

 

フレディくんどこかで観たことあると思ったら「It」で喘息持ちのエディくんを演じていたザッカリーくんだったんですね。2年でだいぶ成長してますね、彼。

シャザム状態ではやけにノリノリなのにビリーの状態だと不機嫌だったりするあの双極みたいな心理はどういうことなんでしょうか。
増長はライミの蜘蛛男3でも描かれておりますし、完全にオンとオフを切り替えられるというのはある意味でその落差を強烈に体感してしまうということでもあるのでしょう。

欲を言えばペドロとの絡みが薄いことや実母のくだりの茶番感とかもあって「家族」というテーマはやや浮薄な感じもするんですが、それでも上手くまとまっている方ではありましょう。別に大して気にならなかったですし。
むしろ、そういううじうじした(フレディの吹替が緒方恵美なあたり、やっぱり碇シンジ君的なものを狙っているのだろうか)ものをパパっと済ませていこうという心意気こそが適度な軽さをもたらしてくれているのでは。


バースの設定を維持しているおかげで、ヒーローという存在を本作においては認知されていることによる説明や超人的な力への混乱といったものが省けているのも何気に上手い。
この辺は、というか全体的に(エンドクレジットのお遊びといい)ホームカミングを想起させるのですが、あちらのように先達のヒーローがいるわけではなく他者としての家族とのかかわりの中で自覚していくという点は異なるのかな。

それにしても血縁=家族の否定はGotGあたりからも描かれていますが、本作では主人公だけでなくヴィランまでそれを体現しているという徹底ぶり。
そこにグラデーションがあるのもまた面白い。
 

個人的にはダーラちゃんとマーク・ストロング(サデウスではなく)が萌え萌えだった。マーク・ストロングがここまでストレートに「ちからこそぱわー!」なヴィランを演じることはあまりないので、キャラクターとしてはクリシェもいいところですがマーク・ストロングが演じることで俺得な楽しさがある。

何気に次回作でも続投してくれるフラグが立っているので、是非ともまたマーク・ストロングを見せてほしいですな。

 
ラストのスーパーマン登場は驚きよりも笑いが。「お前出るんかい」というたぐいの。

 

で、「アベンジャーズ/エンドゲーム」

 

めちゃくちゃ熱狂している、というわけではありませんが、リアルタイムで追い続けたシリーズということでやはり感慨もひとしおでございます。


アベンジャーズ」は今やかつての(って書くと怒られそうですけど)スターウォーズがそうであったような一種の祭事であるからして。馴染みの祭りが今回で(一応の)最後なので見届けようや、という思いもあったり、まあ「乗るしかない、このビッグウェーブに」という思いはやはり否が応でも表出してくる。

こういうお祭り映画というのはそうそうあるものではありませんし。

真田広之氏も「参加することに意義がある(意訳)」とおっしゃっていましたし、この心地よい熱狂に身を任せて純粋に映画を楽しむのが一番良いのかも。
とはいえあんな三下な悪役でいいのか、真田氏。まあ新キャラに尺を割いている余裕はありませんから、ダメ押しのサプライズとしてはあれくらいがちょうどいいのでしょう。

真田さんの演技はかなり大仰というか舞台的というか、決して下手というわけではないのですが日本語での演技がアメリカナイズされているので、やっぱり文化によって演技って違ってくるのだなぁと感じる場面でもありましたね。「ライフ」での英語の演技は全然違和感なかったですし。

言語周りでいえばジェレミー・レナ―の日本語が訛り強すぎて何言ってるか聞き取れなかったんですが、あそこだけ日本語の会話になったのはやっぱり日本舞台だからなのだろうか。「アウトレイジ」を観ればわかるように(これ観てわかった気になるのも頭悪すぎですが)、昨今のやくざというのはインテリも多く英語を喋れる人もいるらしいので、英語で良かったんじゃないかなーと。

でも一緒に見に行ったジェレミー・レナ―ファンの友人はこのシーンも含めて大満足だった様子。冒頭からバートンだし、割と出ずっぱりでしたからジェレミーファンは必見かも。単なる偏愛だと思いますが、そういう偏愛をしたくなるキャラクターの映画ということなのでしょう。
しかし私も好きな役者ではありますけど、まさか泣くとは思わなんだ、友人よ。
今回出番があまりなかったキャラクターはまだ続編が残っているから、ということなのでしょうし、最初のアベンジャーズメンバーへの手向けということで割り切ってるのでしょうね、製作陣も。
だからバートンが出ずっぱりでも問題ないのです、ええ。


タイムパラドックスについては色々と説明がされてましたが、正直なところけむに巻かれたという感じが・・・まあ、そのへんはご愛嬌ということで。
他にもガントレット作れるんかい、とかまあ色々と細かい部分で気になるところはあるんですが、そんなものは熱量に比べれば無問題でしょう。

前半のコミカルケイパーものは笑いつつ泣きつつ、後半の畳みかけサノス戦に大興奮。

ソウルストーンのくだりはIWのときからもちょっと「くどくないかな」と思っていたのですが今回もちょっとくどい(笑)。気持ちはわからなくもないですが、キャラクターを中心にしているため話運びがいささか鈍重ではあります。それでも飽きさせないように心配りされているので問題はありませんが。

フェミニズムな視点の盛り込み方とかも少しこれ見よがしな上に「意気込みはわかるけど・・・」な気もするのですが、スパイダー坊やの危機に大集合というオネショタハーレム状態な絵面なので静かに首を縦にふるしかありません。

大乱戦でのガントレットリレーも楽しいし、久々に童心に帰って楽しめました。

MCU作品のオマージュや原作からのオマージュもたくさんあるのでしょうが、それを一つ一つ取り上げていくときりがなさそうなので割愛ということで。

 
とにもかくにも、MCUの始まりである アイアンマンが決着をつける、という流れもやはり涙なしには観れない。まあ、本編の閉め自体はキャップなのですが、それはそれでやはり最初のアベンジャーとして本編を締めくくるのは嬉しい。
ただ、それやっちゃったらシャロン・カーターとのキスはどうなるのよ、と。童貞のくせにやり捨てたぁ、さすがはアメリカのケツである。ドラマは追ってないので、何かしら補完されているかもだ。

クレジットの後の鉄を叩く音。あれはアイアンマンへの鎮魂歌なのかなぁと思うとまた涙が。