でもあのときと同じ感じかたをするわけじゃあないんですよね。
本当は2月に観た映画のまとめにしちゃおうと思ってたんですけど、やっぱり個別にエントリ書くことにしますた。
ノスタルジーじゃないとは思うんです。ただ、テレビで初めて、事故的に観たときは途中からだったし、まだ小さいときだったからちゃんとした話は知らなかった。
それでも強烈にその場面のことは覚えていたし、何より観たときには心底恐ろしかった。今はもう、色々と擦れた人間になってしまっているし、当時のように心の底から原初的な言いようのない恐ろしさ・・・畏怖に近い何かを感じることはできていなかったのだろうけれど、それでもやっぱり、今見ても彼の映画は美しいし楽しいし愛おしいし愛らしいのだ。
や、それ以外にもクリスティーナ・リッチがクロエに似ているなーとか、どうでもいいことまで気になったりもするんだけれど(笑)。
でもね、そんなのどうでもいいくらいにティム・バートンの「スリーピー・ホロウ」は美しい映画なんですよ。
彼の映画は毎回毎回、冒頭で遠景で街並みを見せてくれるのですが、今回は新世紀を迎えようとするNY。黒くて鬱蒼とした世界から始まり、終わりでは真っ白な世界に様変わりする憎い演出。そこに美女が加わってついでに従者も加わっているのだから、本当にバートンというやつはファンタジスタだなぁと。
血を思わせるシーリングスタンプからクレジットの表出まで、あの予感を孕む演出。
この色彩感覚のエピゴーネンとして紀里谷監督の作品があるのかもしれないと思うと、彼の挑戦も生暖かい目線で観れるようになりますな。
首無し騎士も今見ると恐怖以上にカッコよさが際立ちますし、死人の木の美術や風車のセット、スリーピー・ホロウの風景。こと世界の構築においてバートンのセンスはやはり卓抜していると言わざるを得ない。
悪夢のシーンでのあのセット感をしっかりと異質な世界へと昇華する能力。本当にあこがれまする。
何気に話はしっかりと筋が通っていて、ホラー・ミステリー・ファンタジーが同居しているかなりバランスの良い映画でもあります。他のバートン作品だとファンタジー路線強めですからね。
デップのコミカル演技も相変わらず良いですし、何気に殺陣が多めというのもバットマンを除くと珍しい気もする。
ダンボもトレーラーが公開されましたし、そろそろバートンのリバイバル(ってそもそも死んではないか)があってもいいのではなかろうか。
そんなことを思う今日この頃。