よくわからなかった、というのが率直な感想だった。「バルタザールどこへ行く」
監督・脚本はロベール・ブレッソン。名前はたまに耳にするけれど、作品は観たことない。まあ、いつものことですね。
ロバの目線から人間の営み(主に愚を)を静観し、時にはその営みに巻き込まれながらも淡々とした調子で描いていく。
いや、でも、これって上手い映画とは言い難い気がする・・・。いや違うか、面白い映画ではない、というべきだろうか。美しいとか上手いとか、そういう形容を当てはめようとするのはわかるけれど、じゃあ面白いかというと、「うーん?」という感じ。いや、やっぱり話の構成とかはやっぱり上手いとは言い難いような。散漫になっていると、個人的には思う。
あまり自分には合わなかったかなぁ。
あと、寓意が露骨すぎるのもちょっと。
ロバはキリスト教的に従順と柔和の象徴として描かれているから、人間たちの行いに従順であることはわかるし、そのロバにバルタザールという東方の三賢人が一人の名前をつけるのもわかる。バルタザールが神性を象徴し、最後に神の子羊の群れの中で死んでいくというのも、まあわかる。
じゃあそれが面白いかというと、自分はそうは思えなかった。
ただ、マリーはエロい。別に好みの顔とかそういうことではないんですけど、発展途上故の可能性を秘めたエロスとでもいいますか。それが絶妙なバランスで艶かしい。
とはいえ、それにしてもなぜこんなにマリーに惹かれるのかなーと思ったら、小学生のときの同級生に顔が似ているからだ、ということに気づいたわけです。ご存知のとおり、人にとってのツボとなる顔というのはその人がそれまで見てきた人の平均の顔に寄っていくというものなの(だったはず)で、印象に残っている顔に似ていたから、というのもあったんでしょう。
後半になってようやく思い出した。M原Yさんにメッチャ似ているんだと。
いやまあ、そんなこと至極どうでもいいことではあるんですけど。
映画に関しては、万人に勧めるタイプの映画ではないかなぁ、という気はする。