三本目、わたしの好きな監督の一人であるマイク・ミルズのひとつ前の作品。
「20th~」が良かったのでこっちもかなり期待してたのですが、果たして。
うん。ミルズの作品であるということがわかるくらいにわかる映画であることは確かだと思う。編集とかフッテージを挿入する呼吸とか、同じシーンを繰り返し使うのとか。「20th」も「人生は~」もかなり私小説的な映画であることは間違いないので、見れば見るほど監督の人生を追随できるという意味ではメタ的に楽しめる視点もあると思う。
個人的には、「20th~」のほうがcmっぽい演出とかほとんどなくて洗練(作品の質を考えるとふさわしくない言葉かもしれませんが)されていて見心地が良いかなーと。キャリアを考えると、CM的演出っていのは切っても切り離せないものではあると思うんですが、「ビギナーズ」に関してはちょっとくどいかなーというきらいはあるので。
主役がユアン・マクレガーなんですが、てっきりダニエル・ブリュールかと思って見てました。彼にしては顔がちょっと角張っているとは思ってたんですが、「ビギナーズ」におけるユアンはかなりダニエルに寄っている気がする。ちなみにダニエルは「シビル・ウォー」のジーモが日本では有名かと思いますが、個人的には「二つ星の料理人」の彼が最高にツンデレしていて萌える。ブラッドリークーパーにキスされたときの表情とか少女漫画顔負けですぞ。
「ビギナーズ」に戻しましょう。
前述のとおりこれはマイク・ミルズ監督の私小説的な映画で、それでいて誰にでも共感できる・・・というか共感したくなる話ではあると思う。いつでもリスタートを切れる、それこそ75歳になっても。
どうして母が死んでからだったのだろう。ということが、後々になって判明する「あるアクションの結果を先に提示して後から経過・過程・要因を説明する」タイプの映画でもあって、後からじわじわくるタイプの映画でもあると思う。
なんか感想を吐き出すのが億劫なくらい、全編に満ちている生暖かい空気感が好き(シーン単位では「えー」という部分もありますが)なので、正直細かい部分とかどうでもいいといえばどうでもいいタイプなんですよね、自分にとっては。
自分はよく作業をするときにラジオなり音楽なりテレビなりをつけないと落ち着かないタイプなんですが、これはある意味で無音というのが怖いからなんですよね。だから背景的に「何かが在る」ということがわかるように音の出る何かを垂れ流しているんですが、それと似た感覚をこの映画から受けた。という、漠然とした感想ががが。
まあ超可愛いメラニー・ロランが見れただけでもぶっちゃけ十分かと。彼女への既視感があると思ったら「グランド・イリュージョン」でした。作品自体はそこまで印象に残るようなものではなかったんですけど、彼女を含めマーク・ラファロとかアイゼンバーグとか印象に残りやすい俳優が出ていたっけ。
もしかすると後からまた付記するかもしれませんが、今回はこんなところでどうでせうか。