dadalizerの映画雑文

観た映画の感想を書くためのツール。あくまで自分の情動をアウトプットするためのものであるため、読み手への配慮はなし。

SSFF2018ダヨ

最近は中々映画を見にけてなかったのですが、すでに予約していたしせっかくということでSSFF行ってきましたよ。

確か去年の記事もあった気がしますが、まあそれはいいか。

夕方から勉強会があったので今日一日でプログラム全部制覇とは行きませんでしたが、観たものの感想をシコシコ書いていきますぞ。

あ、あと過去作のを組み込んでいたりして重複するものがありました。

 

・「秋のアニバーサリープログラム1」

 

「ファミリー・ハピネス」

オーストラリアの短編。ベン・ウィショーが出てます。

なんか変な感じの短編。

男のアパートの目の前で、その男が好きなアーティストのボーカルがなぜか聖書的な小冊子を配っているところからはじまり、男の妹が夫とのいざこざでそのアパートにやってきて・・・。

しかしわざわざ痰唾を冊子に垂らすというのも中々いい性格しています。

いい年した兄妹がお揃い(まあ勢いで飛び出してきているので当然なのですが)のパジャマで同じベッドの上で寝るというのはなかなかにスリリングでは?

 

「78」

96年の受賞作みたいです。

途中からなんとなく予想できてはいたんですが、なんとなく世にも奇妙な感じ。

これはほんとに一発ネタなのでネタバレ注意喚起しときますか、一応。

 

少年がマンホールの上で「78、78」と連呼していて、それを見ていた男が危ないからと止めようとするのですが連呼するだけ。イライラして理由を問うのですが、少年は見せてあげようかと、マンホールの中へと招待する。

そしてマンホールの中に入っていた男を尻目にマンホールの蓋を占めて「79、79」と数え出す。

まあなんかのCMぽくはありますよね。

一発ネタではあるのですが、クレジットが流れる最中で映像はなくセリフだけで次の犠牲者?たるおばちゃんが少年に話しかけるのとかはかなり好きです。

 

 「サイレン」

これは去年だったか一昨年だったかのダブり。津川雅彦の追悼的な意味かと。

 ただ、今見返すと地域福祉というか、地域のつながりがこれだけ生きているというのもある意味貴重なのかもと思ったり。

 

「頭の無い男」

そのまま。あの世界観、結構好きだったりします。あと背景が紀里谷監督的な、もっといえば「キャシャーン」的な背景CGの感じや色味が好きなんですよね。これも2004年なんですが、この時期のCGって大体こんなもんなのかな、個人だと。

好きな頭を挿げ替えられるというのはいい気がしますが、個人的には頭がない方がいいよなーと思う。あと、黒人の頭で鏡の前で笑ったのは人種的なもの・・:ではないか、フランスだし。最終的に首なしのまま女性とデートをするわけですが、その塩梅はかなり好きです。でも首から上がないのにどうやって喋ってるんだろうか。

セルティにCV沢城みゆきをあてがうくらいなので、もうそのへんは考えないのだろうか、みんな。でも首元まっくろくろすけだし、変に生々しいよりはファンタジックに振り切ってくれているのでそれはそれで好みではあったりしますが。

 

「コイン」

中国の短編。

ちょっとクサすぎるかなぁ。「ママおばさん」はちょっと涙腺にきましたど。

 

シェイクスピア・イン・トーキョー」

クライアントが東京メトロポリタンということであからさまな東京PRな短編。なにげに忽那汐里が出ていたりして、地味に豪華。

ダウン症の男性が、バリバリキャリアな兄に連れられて施設に云々という話なのですが、そのダウン症の男性がひとりでできるもんと東京を歩き回るんですな。

で、まあその撮り方がまあCMくさいのなんのって。あんなにもんじゃ焼きをキラキラと描いていたのは漫画ですけど「王様の耳はオコノミミ」くらいじゃなかろうか。あ、あれはお好み焼きか。

あと、MBAの勉強を鉄板焼きの店でするのはどうかと思いますよ、忽那さん。

でもまあシェイクスピアの引用をしまくるのとか、逆に潔くていいのではないでしょうか。千葉真一とかも出てるし、やけに豪華。

 

ちなみに、ここで本編とメイキングが見れますので気になったら見てもいいのでは。

東京都×SHORTSHORTSプロジェクト | ショートショート フィルムフェスティバル & アジア

ていうかどれもどこかで見れると思いますが。

 

・「2018年 受賞プログラム3」

 「痣」

なんか綺麗に収まっているような、そうでもないような。

まあ殺人犯を愛してた女はともかく、あの夫婦は一体なぜあそこまで冷え切っていたのか。奥さん役の人、AV女優の誰かに似ている。

 

「グリシャズガイドトゥキエフ

よくわからないんですけど、あんな筋トレできる公園があるなら行ってみたいかも、キエフ。最後に女の人がいるのはストーキングする側とされる側の逆転なのですか。押してダメなら引いてみたのですか

 

「いばらきショートフィルム大賞」

現実をデコレーションというフレーズを押してくるのが困った。どうでもいいけどデコレーションって英訳して伝えるとEMBなんちゃらという別の単語になる、というのがいかに和製英語が潜んでいるかという気づきに。

でも繋ぎ方とか時止演出とか、その最中に葉っぱを一枚だけつまんだりするあれって結構お金かかってそうな気がしますけど・・・。

 

「コトリのさえずり」

CGアニメ。

綱の上の雀と女性の一生。しかしあれだけ限定されたカメラアングルで抽象化されているとはいえわかりやすく伝えるのは中々しゅごい。戦争の描写があったりしましたし、あのおばあさまはそれなりの年齢なのでしょうな。

有刺鉄線はひっかけるとマジで血が出ますから(経験則)、あのへんのシーンはちょっとドキドキした。最初の小さなの足の時はやや体重の乗り方と土踏まずの食い込み具合とかちょっとアレかも(ディズニーの罪は重い)と思ったりしましたが、終盤の雪の描写はかなりいい感じじゃないでしょうか?

あれだけでも観る価値あると思います。

 

「あと さん ねん」

イタリアって土葬なんですね。

普通に怖いですよね、あの博とかいう日本人。普通に家のものに触ってるし、あれ博視点(犬とのやりとりとか)がなかったらサイコホラーにいけたでしょ。ていうか、そっち方面に展開することもできたと思いますが。

ま、なあなあに終わった感じでした。

 

 

・「2018年受賞プログラム2」

 「SOME DAY」

川越のPRのためだけの短編。

正直、このプログラムはほかの作品が相対的に個人的に評価できるものが多かっただけに、見せしめのような気がしないでもない。

ぶっちゃけ半分寝てましたのであまり覚えてませんが、タイムスリップ設定使うならもっとちゃんとした衣装にすればいいのに、なぜブーツだったりミニスカっぽい浴衣のアレンジを加えてしまったのか。

部長っぽい人だけ演技が舞台っぽいせいであんまり出番ないのにやや浮いているのとか、川越の風景にファミマの看板を同居させてしまう風情のなさ(登場人物の時点ですでに風情もクソもありませんが)とか、結構笑えます。

あとどうでもいいことですが、主役のイケメンの高校生が誰かに似ているなーと思って気になってたんですが、どうも大学時代の同輩のOくんに似ているということに気づく。Oくんは必修科目すっぽかして北海道にまでJKとハメにいく性欲魔神だったのですが、彼は今どうしているのだろう。

 

「偽りの赤」

インドのカースト制度はなんとなく知っていましたが、既婚者でなければアパートを借りるのも一苦労、というのはマジなのでしょうか。

ちょっとググったところだと

「ムンバイの住宅事情の悪さはおそらくインド一番で、
インドの物価を考えるととにかく家賃が高く、近年の不
動産高騰は異常です。しかも、私のように独身、女性、
外国人と三拍子そろえばアパートのソサイアティーに入
居を拒否されることが多々で、アパート探しは困難を極
めます。ちなみにこの「ソサイアティー(Society)」と
いう言葉ですがインドでは多用されており、その定義は
かなり広範囲です。大まかに説明すると、宗教、カースト
出身などによってグループ分けされた人々の集団を指し
ます。同じアパート内に住む人々の集まりもソサイアテ
ィーといいます。そして、例えば、ジャイナ教信者のみ、
イスラム教信者のみ、ベジタリアンのみ、のように多く
のアパートが、程度の差はあれ、排他的な特徴をもっ
ています。
インドでは、多くの人は結婚するまで親元で暮らし、
結婚してからも自分の両親や配偶者の両親と暮らすこ
とがほとんどです。ある程度の年齢に達したら一人暮
らしをするという選択肢が世間に浸透していなければ、
それを許す物理的な環境も整っていません」

という文言がANAムンバイ支店 椎八重 万耶の「ムンバイの住宅事情」というPDFにありました。

 

あと赤い額のアレが塗っているのではなくつけているというのも地味に初めて知りましたし、頭髪の分け目のところを赤く塗るというのも知りませんでした。ビンドゥいうて原則として既婚で、なおかつ夫が存命中のヒンドゥー教徒の女性がつけるものである。とのこと。あれを洗い流す時の赤い液体が血のようで痛々しく、マスターベーションを阻害されて「旦那さんの~」と静寂をぶちこわされるというのも悲しい。

インドのフェミニズム的な視点を取り入れた短編。

今日見た中では二番目によかった気がする。

 

「マルグリット」

これが今日見た中でベスト。

婆×おば・・・お姉さんというのは百合界隈でも中々珍しいのではないでしょうか。

百合というか、レズでしょうか。シチュエーションが介護者と被介護者というのも。

足をさすってもらっている時のおばあちゃんの顔とか、だいしゅき顔とかがすごいいいんですよ、この役者さん。

演出も結構良くて、かつての思い人のアルバムを見ていて、彼女が結婚した写真を見てそこから先のページは開かずに閉じるのとか、すごい切なくて。

軽いものとはいえキスまでしますし、百合好きは見るべし。

 

「東京彗星」

東京に隕石落下するとか、そこまで詳しい位置と時間がわかるんかい、という突っ込みは野暮なのでしょうが気になる。

おじさんのHEROジャンパーは露骨すぎて笑いました。あと津波って大陸に落ちても怒るものなんですかね。

でも静かな東京ってあんまり見れないし、あと衝突直前のアナウンスとかのデカダンスというかあの感じが割とツボで、兄弟云々の話とか3.11の引用の面の皮の厚さとかはともかく、あのアナウンス場面だけで結構好きになれる。

 

 

とりあえずはこんな感じ。

もしかしたら月曜日にも観に行くかもしれませんが、行かないかもしれません。

観にいたら、この記事に追記する予定。